« 茨城空港と星撮り(1) | トップページ | モーニングクルーズ ~ 緑の車 »

2018年1月11日 (木)

茨城空港と星撮り(2)

M42
(D600 SIGMA 150mm f2.8 ISO6400 4s x 2 ISO25600 2s x 7 RAWからDSSでコンポジット)

茨城空港で空を見上げるとそこには綺麗な星空がありました。周りに明かりが無いので自宅で見るのとは星の数が違います。飛行機では惨敗しましたがこのまま星撮りに移れば期待できそうな様子。しかし星撮りのために車を停め、三脚を立てる場所が見つかりません。ドライブウェイや観光地ではないので当たり前なのですが。

そんなときに妻が見つけたのが地域の運動公園の看板でした。スマホで検索すると開館時間は10時までとのこと。駐車場へ車を停め、念のため管理事務所で「星の写真撮っていても良いでしょうか」と訊くと親切な管理人さんが「もちろんいいけど星なんて出てる?」。いやいや、もの凄く出てますよ。地元の方にはこんな星空は珍しくもなんともないのでしょうけど。(笑)

撮影は、まずはオリオンの腰のあたりから。ここは学生の頃から何度もレンズを向けた場所です。取り敢えずカメラは下の設定にしました。

・ MF(ライブビュー拡大表示にて)
・ 長秒時NR ON
・ 高感度NR OFF
・ ISO手動設定
・ RAW
・ ミラーアップ(リモートコード使用)

レンズは空港に続いて「SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM」です。このレンズはピントリングの幅が広く回転角も大きいのでMFでのピント合わせがラク。MFを使うことの多いマクロレンズならではです。ピントリングの幅が狭く45度くらいしか回らないキットズームだとピント合わせ自体がかなり厳しそうです。

シャッター速度を変えながら何度か試し撮りをしたところ、このレンズで星が流れないのは4秒くらいが限界だと分かったので、まず4秒×2コマ@ISO6400、続いて感度を変えて2秒×7@ISO25600で7コマを撮影。

カメラの液晶でもM42が写っていることは分かりましたが、家で画像をチェックしてビックリしました。恥ずかしながら自分史上最高のM42です。

M42ばかりでなく、微かながらNGC2024、馬頭星雲も写っています。これが固定撮影での写真なのですから本当に驚きです。

赤道儀を持って行けばもっと良い写真が撮れたのではないかと思うと「今日は赤道儀までは要らないな」との出がけの判断が非常に悔やまれます。空はかなり暗かったので背景が白くならないという意味では8~15秒くらいまで露出を伸ばせたはず。星像が動かないことも併せれば相当暗い星まで写ったことでしょう!

それにしても今の機材は本当に優秀ですね。ポンと三脚を立てて適当にシャッターを押すだけでこれだけ写ってしまうのですから。150mmのレンズで固定撮影、露出4秒で星雲撮影なんて、私が学生の頃には全く考えられないことでした。

昔のことを思い返せは、赤道儀に300mmのレンズを載せ、何十分も一生懸命ガイド(手動)してさえこんなには写りませんでした。30分露出の入魂の1枚を現像するとピンボケだったり、星がオムスビ型だったり、露出オーバーだったり、はたまた夜露でレンズが曇っていて全体が白かったり。(泣)

あの頃のフイルムの感度はISO400とか800とかでしたから感度の数字だけの単純計算では30秒も露出すれば今回と同じように写りそうなものですが決してそうは行きませんでした。今から思えばそれが相反則不軌というヤツだったのかも知れません。当時は相反則不軌のない比較対象が無かったので気付きませんでしたが。

今後の課題は周辺減光の補正です。

Lightroomのレンズ補正を使ったら周辺減光はかなり自然になったのですが、JPEGからのDSSでのコンポジットの結果がいまいちでした。

そのためRAWを直接DSSで読み込んでコンポジットし、TIFFで出力した後にPhotoshopで補正周辺減光を補正したのが上の写真。しかしながら、この方法では周辺減光の補正が利かないことに気付きませんでした。

調べてみると、DSSにフラットフレームを読み込んで補正するのが正式な(?)方法らしいので、次回、本気で(?)赤道儀を使う時までに研究することにします。まずは簡易的にフラットフレームを作ってソフトの動きを試してみましょう。

===

その他、広角レンズで撮った秋~冬の星座です。いつか星野写真に使おうと思って用意したSAMYANGの14mm、便利ズームのニコン24-120mmf4とも星撮りは初めてです。

SAMYANGの14mmでは超広角の威力(対角115.7°)でペルセウスからおおいぬまでを一気に画面に収めることが出来ました。これは夏の天の川を撮るのが楽しみです!「クルマと天の川」を是非やってみたいのです。

Dsc_5642seiza
(D600 SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC@f3.5 ISO3200 8sec)

開放ではなく1/2段絞っていますがレビューサイトでの評価のとおり、画面隅まで星像はシャープです。レンズにとって非常に厳しい被写体である星(完全な点像なので収差が分かりやすい)を撮ってこの写りですからMFで手振れ補正もないレンズとは言え、3万円と言う価格でのコストパフォーマンスは相当高いと思います。

続いては北西方向の空です。こちらはニコン24-120mm便利ズームの24mm広角端開放です。M31、M33、M45が写っていますが、星野写真という用途では画角が少々きつく感じます。皆さんが星野写真に10-20mmのズームを使われる意味が分かったような気がします。

Dsc_5649seiza2
(D600 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR@24mm f4 ISO3200 8sec)

一方、思っていたよりも星像が良いことには驚きました。ズームレンズの広角端開放という悪条件での撮影にも関わらず画面端でも殆ど星が歪んでいません。学生の頃のレンズだったらズームレンズの端の星なんて良くて三角形、普通は大きな扇型、挙句の果てに十文字とか、そんな感じでした。そもそも当時はズームレンズで星を撮るということ自体が禁則事項扱いだったように思います。機材の進化には本当に感心します。

 

巷では中年になって時間とお金に余裕が出来た元ライダーたちが再びバイクを手に入れて走り出す「リターンライダー」が話題ですね。

私はどうやら「リターンスターウォッチャー」になりそうです。(笑)

« 茨城空港と星撮り(1) | トップページ | モーニングクルーズ ~ 緑の車 »

写真」カテゴリの記事

日々のこと」カテゴリの記事

天体写真」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          

ottoの本棚

  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

  • クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

    クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
    内容は運動強度と栄養摂取に関する原則に特化しており、個別の運動についての詳細は含まれていないので注意。挿絵以外に図表は含まれない。 (★★)

  • マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

    マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    読書中

  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

    バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
    主な筋肉については起始と停止位置がその筋肉単独の状態で図解されているが、せっかくなら運動状態の図についても、その運動が主題にする筋肉だけを単独で図示してほしかった。その方が、その筋肉がどのような方向に力を発揮するのか、どのような方向に動作すれば筋肉に効率よく刺激を与えられるのかが分かりやすくなるように思う。筋肉の起始と停止位置が分からない図であれば、なにも表皮を剥いで筋肉を露出させた状態で運動の様子を描く必要がないのでは。 (★)

  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

    荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典
    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    (★★★)

  • 世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)
    素敵なグラビアを堪能。 (★★★)

  • 世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

Shops

  • Ride Out KAWASAKI 専門店
    友人である長谷川氏のバイクショップ。 杉並区善福寺一丁目青梅街道沿い。 KAWASAKI中心に取り扱い。

家作りリンク

家作りガイド

  • 住まいの水先案内人
    家作りに関する技術的な解説、資料、コツ、そして注意点が盛りだくさんです。非常に多くの内容が含まれていますが、それらが分かりやすく整理されています。このサイトを隅から隅まで読んで家作りに着手すれば余程のことがない限り致命的な問題が発生するようなことは避けられるのではないでしょうか。特定の工法、業者に傾いた解説も見当たらず、非常に良いサイトだと思います。
  • 建築家による1000問答の建築よろず相談
    基本的には建築に関係する相談のサイトです。建築士等によるQ&Aが充実しています。運営主体の性質上、建築士による建築計画・監理を強く推し、そのメリットを強調しています。

トレーニング

  • AthleteBody.jp
    このサイトのおかげで腹筋を割ることができました。無料サイトであるにも関わらず「ダイエットと筋肉トレーニングにおいて本当に必要なこと」が強調され、非常に有益な情報が提供されています。 夏前になると「6パックを手に入れる」的な特集を繰り返し組んで、色々な運動を羅列しただけの雑誌を買うのがバカバカしくなります。 多くの雑誌では、運動の優先度、そして何より時間軸でのトレーニングの進め方が載っていません。 「10回繰り返せるくらいの負荷で3~5セット行う」という書き方をしていることが多いのですが、「じゃあ、今日50kgのウェイトで10回3セット出来たとして、次回もその次も同じようにすれば良いの?」という疑問には答えてくれないことが殆どです。 読者がそう言った疑問を持たなければ毎回同じ負荷で同じことを繰り返し、つまり体は変わらない、ということになるわけで、記事として非常に中途半端であり不誠実です。 全員が6パックになってしまうと雑誌が売れなくなるので大事なところを端折っているのかも知れませんが。 このサイトでは、「行うべき基本」はシンプルで明確なので実行も容易。非常にお勧めです。
無料ブログはココログ