茨城空港と星撮り(2)
(D600 SIGMA 150mm f2.8 ISO6400 4s x 2 ISO25600 2s x 7 RAWからDSSでコンポジット)
茨城空港で空を見上げるとそこには綺麗な星空がありました。周りに明かりが無いので自宅で見るのとは星の数が違います。飛行機では惨敗しましたがこのまま星撮りに移れば期待できそうな様子。しかし星撮りのために車を停め、三脚を立てる場所が見つかりません。ドライブウェイや観光地ではないので当たり前なのですが。
そんなときに妻が見つけたのが地域の運動公園の看板でした。スマホで検索すると開館時間は10時までとのこと。駐車場へ車を停め、念のため管理事務所で「星の写真撮っていても良いでしょうか」と訊くと親切な管理人さんが「もちろんいいけど星なんて出てる?」。いやいや、もの凄く出てますよ。地元の方にはこんな星空は珍しくもなんともないのでしょうけど。(笑)
撮影は、まずはオリオンの腰のあたりから。ここは学生の頃から何度もレンズを向けた場所です。取り敢えずカメラは下の設定にしました。
・ MF(ライブビュー拡大表示にて)
・ 長秒時NR ON
・ 高感度NR OFF
・ ISO手動設定
・ RAW
・ ミラーアップ(リモートコード使用)
レンズは空港に続いて「SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM」です。このレンズはピントリングの幅が広く回転角も大きいのでMFでのピント合わせがラク。MFを使うことの多いマクロレンズならではです。ピントリングの幅が狭く45度くらいしか回らないキットズームだとピント合わせ自体がかなり厳しそうです。
シャッター速度を変えながら何度か試し撮りをしたところ、このレンズで星が流れないのは4秒くらいが限界だと分かったので、まず4秒×2コマ@ISO6400、続いて感度を変えて2秒×7@ISO25600で7コマを撮影。
カメラの液晶でもM42が写っていることは分かりましたが、家で画像をチェックしてビックリしました。恥ずかしながら自分史上最高のM42です。
M42ばかりでなく、微かながらNGC2024、馬頭星雲も写っています。これが固定撮影での写真なのですから本当に驚きです。
赤道儀を持って行けばもっと良い写真が撮れたのではないかと思うと「今日は赤道儀までは要らないな」との出がけの判断が非常に悔やまれます。空はかなり暗かったので背景が白くならないという意味では8~15秒くらいまで露出を伸ばせたはず。星像が動かないことも併せれば相当暗い星まで写ったことでしょう!
それにしても今の機材は本当に優秀ですね。ポンと三脚を立てて適当にシャッターを押すだけでこれだけ写ってしまうのですから。150mmのレンズで固定撮影、露出4秒で星雲撮影なんて、私が学生の頃には全く考えられないことでした。
昔のことを思い返せは、赤道儀に300mmのレンズを載せ、何十分も一生懸命ガイド(手動)してさえこんなには写りませんでした。30分露出の入魂の1枚を現像するとピンボケだったり、星がオムスビ型だったり、露出オーバーだったり、はたまた夜露でレンズが曇っていて全体が白かったり。(泣)
あの頃のフイルムの感度はISO400とか800とかでしたから感度の数字だけの単純計算では30秒も露出すれば今回と同じように写りそうなものですが決してそうは行きませんでした。今から思えばそれが相反則不軌というヤツだったのかも知れません。当時は相反則不軌のない比較対象が無かったので気付きませんでしたが。
今後の課題は周辺減光の補正です。
Lightroomのレンズ補正を使ったら周辺減光はかなり自然になったのですが、JPEGからのDSSでのコンポジットの結果がいまいちでした。
そのためRAWを直接DSSで読み込んでコンポジットし、TIFFで出力した後にPhotoshopで補正周辺減光を補正したのが上の写真。しかしながら、この方法では周辺減光の補正が利かないことに気付きませんでした。
調べてみると、DSSにフラットフレームを読み込んで補正するのが正式な(?)方法らしいので、次回、本気で(?)赤道儀を使う時までに研究することにします。まずは簡易的にフラットフレームを作ってソフトの動きを試してみましょう。
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その他、広角レンズで撮った秋~冬の星座です。いつか星野写真に使おうと思って用意したSAMYANGの14mm、便利ズームのニコン24-120mmf4とも星撮りは初めてです。
SAMYANGの14mmでは超広角の威力(対角115.7°)でペルセウスからおおいぬまでを一気に画面に収めることが出来ました。これは夏の天の川を撮るのが楽しみです!「クルマと天の川」を是非やってみたいのです。
(D600 SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC@f3.5 ISO3200 8sec)
開放ではなく1/2段絞っていますがレビューサイトでの評価のとおり、画面隅まで星像はシャープです。レンズにとって非常に厳しい被写体である星(完全な点像なので収差が分かりやすい)を撮ってこの写りですからMFで手振れ補正もないレンズとは言え、3万円と言う価格でのコストパフォーマンスは相当高いと思います。
続いては北西方向の空です。こちらはニコン24-120mm便利ズームの24mm広角端開放です。M31、M33、M45が写っていますが、星野写真という用途では画角が少々きつく感じます。皆さんが星野写真に10-20mmのズームを使われる意味が分かったような気がします。
(D600 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR@24mm f4 ISO3200 8sec)
一方、思っていたよりも星像が良いことには驚きました。ズームレンズの広角端開放という悪条件での撮影にも関わらず画面端でも殆ど星が歪んでいません。学生の頃のレンズだったらズームレンズの端の星なんて良くて三角形、普通は大きな扇型、挙句の果てに十文字とか、そんな感じでした。そもそも当時はズームレンズで星を撮るということ自体が禁則事項扱いだったように思います。機材の進化には本当に感心します。
巷では中年になって時間とお金に余裕が出来た元ライダーたちが再びバイクを手に入れて走り出す「リターンライダー」が話題ですね。
私はどうやら「リターンスターウォッチャー」になりそうです。(笑)
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