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2016年8月10日 (水)

投資用マンションの勧誘に突っ込む

職場に新築ワンルームマンションへの投資勧誘電話がかかってきました。いつもならすぐに切ってしまうのですがその日は気持ちに少し余裕があったので話を聞いてみることに。

まあ結論から言って期待に違わずダメダメなお話しで嬉しくなりました。様々な仕組みでマンション販売業者が確実な利益を契約者から得る一方、リスクは全て契約者が追うと言う素晴らしい仕組みです。(笑)

面白いので業者のセールストークに突っ込んでおきます。

1.「4%の利回りって魅力的じゃないですか」

魅力的ではありません。新築時点で、かつ、取得時にかかる諸々の費用(印紙税、消費税、登録免許税、不動産取得税、)を計算に入れずにその利回りでは低すぎます。毎年固定資産税もかかりますし、修繕費、管理費もかかります。築年数が増すごとに家賃は下げざるを得ません。ましてローンで買うなら金利もかかってきます。その程度の利回りではすぐに赤字になるでしょう。

そもそも不動産という資産クラスで利回り4%程度を求めるなら適当なREITを買っておけば十分ではないでしょうか。「JAPAN-REIT」によるろと全銘柄の3割強が利回り4%”以上”です。(J-REITのインデックスで2.7%)

海外のREITまで選択肢に含めれば選択肢は更に増えます。例えば米国ヘルスケREIT最大手グループの「HCP INC.」であれば、20年以上に渡って増配を続け、現在の配当利回りは6.51%だそうです。

REITであれば修繕その他で余計な費用がかかる(自分で直接支出する)こともありません。税引き後の分配金がそのまま収入になりますし、分配金にかかる税率も2割と低率です。

例に出したHCP INC.であれば米国・英国に1,217の物件を持っています。自然災害や事故による損失についても事実上、その影響を無視できるでしょう。HCP INC.は大手ですが、規模が小さいREITであっても、言うまでもなく物件数について個人では太刀打ちできません。

マンション投資の場合、個人がローンでレバレッジを利かせて投資することでリターンを大きくすることが出来るという側面はありますが、一方でREITも借り入れでレバレッジ(2倍程度)を利かせてリターンを上げています。それであれば、レバレッジに起因するリスクの観点からも、何が起きても決して自分の資産がマイナスになることのないREITの方が投資先として有利でしょう。

また、流動性についてもREITの方が明らかに有利です。もしも投資資金を回収する必要が生じた場合、実物不動産では手数料を取られるうえに買い叩かれることになりますが、REITの場合、いつでも数日あれば市場価格で確実に現金化することができます。

高齢化が進む中、ワンルームであればファミリータイプと比べて事故物件になる可能性も高いでしょう。REITを買えば済むリターンを得るために、たった1つの物件に集中投資し、物件事故、家賃滞納、流動性等の無駄なリスク(除去する方法があるリスク)を負いながら利回りたった4%というのは全く割に合わないように思います。

というわけで、私はセールスマンに言いました。

「Morningstarを開けますか?HCPを探してみてください。物件は1,000以上に分散されていて、過去15年でのトータルリターンが軽く10%を超えているんですよ。私はいつでもネットで簡単にこれを買うことができるのに、何故たった4%しか利回りの出ない物件を、今、御社から買う必要があるのでしょう。」

すると先方は

「なるほど。」

ですと。

おいおい、納得しないで。(笑)

2.「不動産は株式や債券などと違って元本変動が小さく安心です。」

不動産の場合は毎日その値段を教えてくれる仕組み(市場相場ニュース)が無いからオーナーが気付かないだけで、実際にはその取引価格は相当変動しているわけですよね。小規模マンションなんて築年数に応じてどんどん減価して行くのに、それを知らせる仕組みが無いからオーナーが気付かないだけ。元本変動が小さいなんてよく言えたものです。

3.「家賃保証があるので収入は確実です」

細かい仕組みは聞いていませんが、「フリーランチは無い」というのが投資の常識です。家賃保証なるものを受けるにはそれなりのリスクかコストかを引き受けるのでしょう。無条件にそんな保証を受けられるはずが無いのですから、例えば「家賃保証を継続するには来年から家賃を〇%引き下げてください。この条件を受け入れられないなら保証は打ち切りです。契約書にもそのように記載されています。」ということになるのでしょう。そもそも、そんな素敵な約束(ずっと一定額での家賃保証)が出来るくらいなら、社外の人間に売るのなんか止めて、自社で幾らでも借り入れてバンバン建てれば良いのですから。わざわざ社外の人間に得をさせる必要がありますか?

4.「金利等の費用を確定申告することで所得税が還付されます」

マンション投資の勧誘で一般的なセールストークのようですが、これはあらゆるセールストークの中でも一番酷いものだと思います。基本的に「所得税が還付される=儲かっていない」です。何も自分で「この投資は儲かりませんよ」と言わなくても良いのにと思います。

そういうわけで私はセールスマンに言いました。

「還付される場合は儲かっていないという事ですよね。いつになったら所得税が増えますか?」

すると先方は

「えーっと、えーっと・・・」

「(笑)」

 

 

兎に角、わざわざ電話をかけてきて「是非一度お目にかかりたい」などと言う割に勧誘員のレベルが低すぎます。説得力が全くありません。

あまりにもお金に関して無知でお人好しな人たちを騙して儲ける商売なので自分たちの知識の有無など関係ないのでしょうけれど、恐らく何らかの名簿で電話をかけているはずですよね。それならこちらの年齢も分かっているはず。まして電話をかければ「〇〇株式会社です。」と言われるわけで、多少でも判断力を保っている可能性のある(働いている)会社員と思しき人物にそんな電話をかけても無駄ではないでしょうか。

 

「こちらNTTの代理店の〇〇ですが・・・御社の電話料金が通常よりも高い状態になっておりまして・・・」

「ほおーーー。NTTさん、顧客情報ダダ漏れですねぇ。これからNTTさんに情報漏れの件を問い合わせてみます。

「・・・・。」 

この種の電話、かけている人がホントに可哀想になります。

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  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

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  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

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