« アイドリング不調の修理・その他一気に作業(4) ~ E38 750iL | トップページ | アイドリング不調の修理・その他一気に作業(6) ~ E38 750iL »

2010年12月 4日 (土)

アイドリング不調の修理・その他一気に作業(5) ~ E38 750iL

Img_0440

少し前に年金制度改革をめぐってフランスの若者がデモしていたように思いますが、世代間に同じ問題を抱える日本の若者は何故自分たちの年金問題について主張しないのかとても不思議です。

年金支給開始次期の先延ばしのために行われた雇用延長の義務化によって若年層の雇用が失われているにも関わらず、若者が声も出さずに座して「老人の老人による老人のための決定」に服しているのは日本人の美徳なのでしょうか。

高度成長期を経た老人たちには貯蓄や運用を行うための十分な時間と環境があったにも関わらず、それを怠ったと若者たちは言いたいのではないでしょうか。まさかそう言ったことを考える元気もないとは思えませんが。

私としては、親世代との同居を推奨する政策をとれば社会保障関係の問題の相当の部分が解決されるのではと昔から考えています。また、道路を作るのは結局のところ地方の発展に繋がらず、人口の流出を加速させるだけではとも考えています。「高速ですぐに帰ってこられるから」という言葉を免罪符に、若者はどんどん都会に出て行き、決して帰って来はしないくからです。

さて、それはそうと、一生での国への支出(納税等)と給付(年金等)が均衡する世代の私は、無責任にも若者の意識とは無関係にマニフォールドの組み付けを行います。

マニフォールドの取り付けにあたってはヘッドへのガスケットフランジの取りつけと同じく、シール面にシリコーン系のシール剤を多めに塗っておきます。ただし、マニフォールドはいったん取りつけてしまうと内面を拭きとることが出来ないので、シール剤はあまりたくさん塗らないようにしました。

ところが…です。

マニフォールドをヘッドに取り付けてしまった後では、マニフォールド後端に取り付けられたブローバイ制御デバイスらしきもののグロメットが、ヘッドカバー側のパイプにどうしてもはまりません。

せっかく取り付けたのに…事件です。

しばらく頑張ってどうにもならないので、マニフォールドを再び取り外すことにしました。(泣)

Dsc_7962

正しい手順としては、ヘッドの後端にあるグロメットをマニフォールド側ではなくヘッドカバー側に取り付けておき、マニフォールドをヘッドに取り付けてからグロメットをマニフォールド側に嵌め込むということになるようです。

ちょっと面倒な手戻りをこなしつつ、マニフォールドの取り付けを完了。

Img_0401

純正のタイストラップはほとんどがパリパリだったので、エンジンルーム内の配線固定には、一応、耐熱グレードのタイストラップを使っておきました。ただ、「耐熱」を謳っておきながら使用温度範囲が書かれていないあたりに怪しさを感じます。(笑)

Img_0400

分解の時点でちぎれてしまったバキュームホースも交換しました。昔はどこの自動車用品店でもバキュームホースくらい置いてあったものですが、「追加メーター」の需要衰退とともに置いてあるお店が減ってしまったようです。なんとなく趣味の対象としての「自動車離れ」の雰囲気を感じます。

Img_0420

ようやく3軒目のお店で発見。クロロプレンゴム(CR)製のものと、シリコーンゴム製のものがあり、私は純正に倣ってCR製を選びました。 

Img_0442

壊してしまったバッテリープラス端子です。写真を載せていなったので改めて。

プラスチック製のケースがスロットルモーターの前にある金具に挿しこまれているだけだったにも関わらずケース中央のナットを緩めて取り外すものだと勘違いしてナットを回そうとしたらケースが割れました。うまく接着できそうにない場所が割れたので、そのうち部品を取り寄せて交換です。 

Dsc_7963

さて、インジェクター部分のメンテナンスです。インジェクターは2本の燃料レールとともに外れます。洗浄用のキャブクリーナーを新たに買ってきてあったにも拘らず、インジェクターの先端部分へのカーボンの堆積がほとんどなく、やけに綺麗な状態でした。 

このインジェクターはちょっと特殊で、燃料を噴射するポートの周りにシェラウドがあってそこからエアを噴き出す仕組みになっています。そのため、燃料レールに沿ってエア供給用のパイプがあり、インジェクターにエアを供給しています。

Dsc_7964

こちらのアングルの方が分かりやすいでしょうか。インジェクターの上から燃料が入り、インジェクターから斜めに出ている黒いゴムパイプからエアが入ります。おそらく燃料の霧化状態を改善して排ガス対策とするための構造なのでしょう。

Dsc_7965

今回のメンテナンスでは、インジェクターとマニフォールド、インジェクターと燃料レール、それぞれの間に入っているOリングと、シェラウドへのエア供給のためのゴム配管を交換することに。

エア供給用のゴム配管は肉厚でかなり硬化していましたが、レール側の抜き取りは問題ありません。金属配管なので力任せに抜きとれば良いのです。

しかしインジェクター側が問題でした。ゴム配管が、シェラウドと一体成型された実に弱そうな樹脂製のパイプに挿しこまれているのです。

ともかく、出来るだけこのパイプに力がかからないように慎重に抜き取らなくてはいけません、カッターでパイプに切れ目を入れ、ニッパーで配管を徐々に切り取って行きました。

12個あるインジェクターのうち10個は無事に作業終了。

ところが…

11個目でやってしまいました。

Img_0418_2

「がびーん」(笑)

再び事件発生です。

あと少しだったのに!

ちっとも力なんか入れていないのに!!

Img_6015

「うわ、やっちまったよ。ニャゴニャゴニャゴ…」

 

どう考えても接着して直せるようなものではないのでディーラーに新品を発注。お値段2万3千円とのこと。幸い日本国内に在庫があるというので作業中断は短期間で済みそうです。RealOEM.comで見ると120ドルくらいなので非常に悔しいのですが止むをえません。

自分でインジェクターを買うのはこれで2回目。1回目はHR31のRB20でタービン交換に伴って、Z32エアフロの取り付けとともにRB26用の440cc/min(?)のインジェクターに交換した時です。RB20用とRB26用ではインジェクターの抵抗値が違うので、直列に何オームかのセメント抵抗を入れて調整した記憶があります。そしてROMを外していくつかの定数を書き変えて…あの車はかなり楽しめました。

まあそれはそうと、あの時はインジェクターが1本8千円くらいだったように思います。つまり、RealOEM.comでの値段と同じ。日本のディーラーは何故こういう価格設定になってしまうのでしょうか。

Img_0414_2

そんなわけで、もうこの日中の作業完了は不可能になってしまったので壊したインジェクターを観察することに。よく見ると噴射口の中にが2つあって2ポートであることが分かります。これも霧化改善のためなのでしょうか。

4バルブのエンジンでは燃料を直接2つの吸気ポートに向けて噴射するために2ポートにしているようですが、このエンジンは2バルブ。吸気バルブが1個しかないのにちょっと不思議です。

Img_0402

メインの作業が進まなくなったので、シリコンリムーバーのポンプを交換。ポンプのケーシングが割れています。

Img_0405

上が旧品、下が新品です。外観には特に差はありません。

 

さて、作業はインジェクター待ちとなりました。

次回、ようやく作業完了です。

 

(まだ続く)

« アイドリング不調の修理・その他一気に作業(4) ~ E38 750iL | トップページ | アイドリング不調の修理・その他一気に作業(6) ~ E38 750iL »

」カテゴリの記事

日々のこと」カテゴリの記事

DIY」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          

ottoの本棚

  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

  • クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

    クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
    内容は運動強度と栄養摂取に関する原則に特化しており、個別の運動についての詳細は含まれていないので注意。挿絵以外に図表は含まれない。 (★★)

  • マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

    マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    読書中

  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

    バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
    主な筋肉については起始と停止位置がその筋肉単独の状態で図解されているが、せっかくなら運動状態の図についても、その運動が主題にする筋肉だけを単独で図示してほしかった。その方が、その筋肉がどのような方向に力を発揮するのか、どのような方向に動作すれば筋肉に効率よく刺激を与えられるのかが分かりやすくなるように思う。筋肉の起始と停止位置が分からない図であれば、なにも表皮を剥いで筋肉を露出させた状態で運動の様子を描く必要がないのでは。 (★)

  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

    荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典
    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    (★★★)

  • 世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)
    素敵なグラビアを堪能。 (★★★)

  • 世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

Shops

  • Ride Out KAWASAKI 専門店
    友人である長谷川氏のバイクショップ。 杉並区善福寺一丁目青梅街道沿い。 KAWASAKI中心に取り扱い。

家作りリンク

家作りガイド

  • 住まいの水先案内人
    家作りに関する技術的な解説、資料、コツ、そして注意点が盛りだくさんです。非常に多くの内容が含まれていますが、それらが分かりやすく整理されています。このサイトを隅から隅まで読んで家作りに着手すれば余程のことがない限り致命的な問題が発生するようなことは避けられるのではないでしょうか。特定の工法、業者に傾いた解説も見当たらず、非常に良いサイトだと思います。
  • 建築家による1000問答の建築よろず相談
    基本的には建築に関係する相談のサイトです。建築士等によるQ&Aが充実しています。運営主体の性質上、建築士による建築計画・監理を強く推し、そのメリットを強調しています。

トレーニング

  • AthleteBody.jp
    このサイトのおかげで腹筋を割ることができました。無料サイトであるにも関わらず「ダイエットと筋肉トレーニングにおいて本当に必要なこと」が強調され、非常に有益な情報が提供されています。 夏前になると「6パックを手に入れる」的な特集を繰り返し組んで、色々な運動を羅列しただけの雑誌を買うのがバカバカしくなります。 多くの雑誌では、運動の優先度、そして何より時間軸でのトレーニングの進め方が載っていません。 「10回繰り返せるくらいの負荷で3~5セット行う」という書き方をしていることが多いのですが、「じゃあ、今日50kgのウェイトで10回3セット出来たとして、次回もその次も同じようにすれば良いの?」という疑問には答えてくれないことが殆どです。 読者がそう言った疑問を持たなければ毎回同じ負荷で同じことを繰り返し、つまり体は変わらない、ということになるわけで、記事として非常に中途半端であり不誠実です。 全員が6パックになってしまうと雑誌が売れなくなるので大事なところを端折っているのかも知れませんが。 このサイトでは、「行うべき基本」はシンプルで明確なので実行も容易。非常にお勧めです。
無料ブログはココログ