アイドリング不調の修理・その他一気に作業(3) ~ E38 750iL
さて、ようやくインジェクターを外し、マニフォールドの付け根が見えるようになりました。
ガスケットフランジ周りはかなり汚れています。この汚れ、ヘッドカバーガスケットからの油漏れによるものではありません。ガソリンの不揮発成分が溜まったもののようです。フランジ部分の漏れはかなり酷いと想像できます。
ここからが作業のメインイベント。マニフォールドの取り外しです。
E32ではフュエルデリバリーパイプの一部がマニフォールド取り付け用のスタッドボルトに共締めされていたために順番がありましたが、E38では左右どちらからでも外せそうです。私は左バンクから作業を始めました。
そしてこれがマニフォールドの付け根にある固定ナットを緩めるためのSST(?)です。ソケットは10mm。工具が6.3sq.であることがポイントです。9.5sq.では途中に引っかかってしまってナットに届きません。
エクステンションは150mm×2本。ユニバーサルジョイントは必要ありませんでした。途中で抜けると非常に厄介なので差し込み部分にビニールテープで抜け止めをしておきます。
そしてここが最大のポイント。ナットの取り落とし防止のため小さなネオジムマグネットをソケットの中に詰め込んであります。マグネットにビニールテープを巻いて押し込んだだけですが十二分に役立ちます。これがあると作業が非常に楽ちんです。
ソケットの中にグリースを入れてナットを落とさないようにするという方法もありますが、確実性が違います。
工具さえ用意できていれば作業は簡単です。片側24個、両側で48個(笑)のナットをせっせと緩め、マニフォールドを外します。パッキンの張り付きもなく取り外しはスムーズでした。
パッキン交換のため、ヘッドカバーを取り外します。カバーの取り付けナットにはマニフォールドのサポートや配線固定用のステイが共締めされているので、後で分からなくならないように写真を撮りながら分解します。
ヘッドカバーのパッキンは、ヘッドにかなり強く固着していました。隙間に大きめのマイナスドライバーや内装用のクリップ工具を挿し込んで焦らずゆっくり剥がします。
ヘッドに残っているのはノックセンサー(両側で4個)です。取り外さなくても作業に支障はありません。
カムの駆動部です。E32では普通のロッカーアームでしたが、E38ではローラーロッカーに変更されています。BMWの解説書によると、これにより、カムに「よりアグレッシブな」プロファイルを与えることが出来るようになったそうです。
それにしては出力の積み増し分が排気量相応でしかない(E32:5L=300ps/E38:5.4L=326ps)のですが、おそらく中低速域でのトルク増に貢献しているのでしょう。
問題のガスケットフランジを取り外したところ。パッキンの接触面を脱脂、洗浄し、ペーパーで軽く撫でておきます。
バルブの傘の付け根部分に金属光沢があることからも分かるとおり、ポートの内部は非常に綺麗でした。ブローバイが少なく、オイル下がりも起きていないということでしょうから、エンジン本体はまだまだ行けそうです。安心しました。
なお、今回はスピード優先で作業しますので、E32で行った各部の段付き修正等、効果のほどが明らかでない細かい作業は省略します。
また記事が長くなってきました。
続きはまた後ほど。
次回、事件が発生します。
(続く)
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