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2009年6月14日 (日)

行ってきました~JARI一般公開(1)

Img_8820_2

6月6日、JARI(日本自動車研究所)の一般公開に行ってきました。

北千住からつくばエクスプレスで約50分。「つくば」というと少々遠いイメージだったのですが、さすがつくばエクスプレスです。ちなみに、昔からおなじみの高速周回路は、このつくばエクスプレスが敷地を横切ったことにより、他の場所に移ったそうです。

見学の第一の目当ては「車両衝突実験」です。車の中からは見たことがありますが(笑)、外からじっくりと見る機会というのはありませんし、もしも本当の事故であれば見ている場合ではないでしょう。

衝突実験は午前と午後の二回です。両方とも車3台の玉突き事故の設定です。停止している先頭車両に1台が追突し、その後ろから更に別の車が衝突します。

詳しい設定は下の写真にあるとおりです。

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最後尾の車両は60km/hからノーブレーキで衝突しますので、かなりの衝撃でしょう。

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衝突前の状況です。1500ccクラスの小型車だと思います。ダミー君の運命やいかに!

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衝突への秒読みの後、グシャン、グシャンと衝突しました。先頭車両は、初めの位置からかなり動いています。  

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ノーブレーキで突っ込んでくる車を受け止めた2台目の車の後部は、かなりひどい壊れ方をしていました。リアドアの下のサイドシルが折れ上がって座面が垂直近くまで持ち上げられていましたから、もしも後ろの席に乗っていたら、ただでは済まなかったでしょう。

安全性について、一般に言われているような車種による差というのは明らかに存在するようです。50km/hでクラッシャブルゾーンを潰し切るように設計された車と、クラッシャブルゾーンを潰し切るのが更に上の速度域になる車と、色々あるのでしょう。学生のときに「ライドダウン効率」というものを習ったのですが、検索してもいまいち引っかかって来ません。特定分野の専門用語のようです。

Img_8834

衝突後は、そのままの状態を近くから観察できるようになっていました。

よく見ると、先頭車両運転席側のシートが倒れています。きっと、衝突の衝撃でシートが変形してしまったのでしょう。

追突される場合、頼りになるのはシートの強度だけですが、自動車のシートなんて、手で揺すっただけでも、かなりグニャグニャします。それほどの強度があるようには見えません。安全基準のようなものはあるのでしょうか。

ダミー君は衝突のショックで放心してしまっている模様。力なく腕を下ろしたまま動きません。顔色もすぐれないので、早く車から出してやった方が良さそうです。(笑)

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助走路のカタパルト(?)は、乗用車であれば160km/hくらいまでは加速できるそうです。ぜひ最高速での衝突を見てみたいものです。

 

午後の実験では、先頭車両がRV車、その後ろから小型車が衝突し、最後に中型乗用車が衝突しました。

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衝突後は消防のレスキュー隊が乗員を救出する様子を見ることができました。中にいるのがダミー人形と分かっていても、早く救助してほしいと願わずに居られません。

Img_8842

こちらは最後尾の車両。

窓ガラスに頭が刺さっているのは、後席に座っていたダミー君です。(汗)

ご想像のとおり、後ろの席から前席のシートバックを押し倒して突っ込んだわけです。

衝突時のダミー君の動きは、前席のシートバックなどまるで存在しないかのようでした。シートに当たって跳ね返るなどという様子は見られず、とにかくガラスに直行でした。少しくらい抵抗になるのかと思っていました。

そして…、さらに不幸なのは、せっかく装備されていた助手席のエアバッグさえ何の助けにもならなかったことです。

会場の高速度カメラの映像によると、衝突の瞬間、助手席のエアバッグが瞬時に膨らむところまでは良いのですが、その後、ダミー君が飛んでくる間に、せっかく膨らんだエアバッグがしぼんでしまったのです。まるでエアバッグが後ろから突っ込んでくるダミー君を避けるかのように、ちょうどガラスに突っ込むジャストタイミングで。

エアバッグはインフレーターによる展開後、衝撃の吸収と視界確保のために直ちにしぼむようにできていると聞いたことがありますが、ここまで速いとは知りませんでした。

この実験を見ると、法令で義務化されているとおり、乗車位置に依らず、シートベルトは確実に装着する必要があると納得せざるを得ません。

全席でシートベルトを締めるということは、万一事故に関わってしまった時にも、事故の責任の所在はともかくとして、人に追わせる賠償責任を少なくすることにも繋がります。そんな意味でも、やはりベルトは全席着用!これしかないでしょう。

そして、レスキュー隊の判断により、フロントウィンドウに頭が刺さったダミー君の救助は後回しになりました。というよりも、真ん中の車両の乗員を救急車に収容したところで現場隊長に作業終了を報告して全員退場してしまいました。明らかに痛そうな状態なのでかわいそうです。(泣) 

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フロントガラスに突っ込んだダミー君の状態を後ろから。

タクシーに乗ったとき、シートベルトしていますか?もしも付けていなければ、私たちはいつでもこの状態になる可能性があるということです。

私は、物理的に明らかに危険を孕んだ速度で走り続けるタクシーの運転を全く信用していません。運転者がプロであろうと素人であろうと、ABS付きの車両での停止距離に差はありません。雨の日に住宅街の路地を60km/hで走るようなことをしていれば、いつでもこうなる可能性があるわけです。

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これは、フロントウィンドウに突っ込んだダミー君の横で、シートベルト非着用だったためにハンドルに胸を強打した運転手です。 膝をインパネ下部に強打していますから、骨折しているかも知れません。膝ですからね。機能を回復できるかどうか分かりません。

「なにしろシートベルト」と感じます。ぶつかることが前提のレーシングカーにはエアバッグなんて付いていません。エアバッグはあくまで付加装備。ベルトが無ければ何の役にも立ちません。

交通事故のニュースを見ると、「この程度の車両の壊れ方なら、ベルトさえしていれば無傷だっただろうに」と思うことがよくあります。でも、結果は重症、あるいは更に悪い結果に…。

シートベルトの重要性を目の当たりにした衝突実験でした。

「私の車は○○だからシートベルトなんてしなくても大丈夫」というのは完全な間違いです。

シートベルト非着用の場合、結果の殆どは、自分の体の強度と衝突速度だけで決まります。

(続く)

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コメント

わたしのビアンキのシートは
シートバックが折れてしまう心配はないかも。
フルバケですから。(笑)

4点式のベルトも欲しいのですが
ボディに穴を開けるのが嫌なんですよ。
錆びるから。。。

おはようございます。

 よくシートベルトの装着の有無は、自己責任だから、取り締まるのはおかしいという意見があります。
 でも、シートベルトをしていなかったために大怪我をした場合、それを救助する人、医師などの治療を受けている間、真に緊急治療を必要とする人が治療を受けられなくなったり、保険金が上がったり、いろいろな人に影響を与えることを考えると、シートベルトを装着することは本人だけの問題ではないと思います。
 そんなシートベルトの重要性を理解させる意味でも、今回の実験を公開することはとても意味があったことだと思います。

shaloさんこんにちは。
確かにバケットの場合は折れる心配はありませんね。(笑)
アフターマーケットのシートについて、強度も含めて何か基準があると思うのですが、ご存じありませんか?

たーちゃんさん、こんにちは。
ご指摘の内容、私もそう思います。「シートベルトは自分のためならず…?」
動くものに乗っている以上、他のものとぶつかるということは、当然起こることとして考えておかないといけないと思うんですよね。
なので、私は経験ありませんが、自分の車にちょっと傷を付けられても大憤慨してしまう方は、その大事な大事な車をお家の金庫にしまっておいた方が良いのではと思ったりします。(笑)

アフターマーケットのシートの基準ですか。
JISにはなさそうですよね。
あるとしたらTUVぐらいでしょうか。
RECAROは確かTUVの基準をクリアしてますよね。
ご参考になりますでしょうか?

shaloさん、コメントありがとうございます。JISで検索してみましたら、下のような規格がありました。内容はまだ読んでいませんが。(笑)

規格番号:JISD4610
規格名称:乗用車用シート及びシート取付装置―強度

ご指摘のEU系の規格も、探してみます。

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