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2009年5月 7日 (木)

社会科見学~理化学研究所一般公開

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4月18日、理化学研究所一般公開に行ってきました。理化学研究所で行われている多くの研究分野について、それぞれの研究室が一般向けにその内容を紹介するイベントです。

イベント内容にあるとおり、研究展示は、物理、化学、生物、そして加工技術と、ありとあらゆる分野に渡ります。大雑把な分類でも23分野。1日ではとても回りきれません。

私は宇宙論に興味があるので、まずはRIBF(Radio-Isotope Beam Factory)棟で粒子加速器とその周辺での分析について見学することに。

見学にあたっては、入口で自分の名前と住所を書かなければいけません。その名のとおり放射性同位体を扱う施設であることから、出入りした人間を記録しておく必要があるのだそうです。

そして上の写真が粒子加速器の本体。地下に作られた巨大な空間に収められており、ビルで言ったら5~6階ぶんの高さはありそうです。資料によると「重量8,300トンの鉄の塊」だそうです。

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超電導磁石を使っているため、各所が液体ヘリウムで冷却されています。地下の秘密基地的な雰囲気で、マンガの「AKIRA」を彷彿させます。

通路では、実際に装置を運転している研究の方が、パネルを出して装置の説明をされていました。色々とお聞きしましたが、実際に装置を扱われている方なので、こちらが見当違いなことをお聞きしても分かりやすい返事をいただけるのがなんとも嬉しいところです。

・ 加速器では磁場を常時発生させておくのではなく、粒子の加速に必要な時にパルス状に磁場を発生させる。〇〇GHzと書かれているのはその周波数のこと。

・ 同位体は、狙って作るというよりも、とにかく原子と原子をぶつけ続けて、目的に合うものだけが分析用の通路に出て来るように設定しておく。磁力による曲げ角度で陽子と中性子の数、減速板にぶつけた時の減速の度合で陽子の数を振り分ける。陽子と減速板の電子との相互作用による減速だが、減速の度合いがなぜ陽子の数の2乗に比例するのかは自分には分からない。(笑)

・ 原子核の中性子が多くなると、中性子が雲のような状態で存在する。これを中性子ハローと言う。既知の原子核と比べて陽子が多い元素は存在しにくく、中性子が多い原子核のほうが作りやすい。これはおそらく電気的な力の所為。

・ 稼働のさせ方によっては電気代が1日で数百万円にもなる。所内の発電ではなく売電で動かしているので、電力需要の多い夏場は動かせない。

雰囲気的にそんなことをお話しいただいたと思います。

ところで、ここでガス(ヘリウム)漏れが起きたらみんな変な声になってしまいますね。助けを求めてもふざけているとしか思われなかったりして。(笑)

 

加速器本体の周辺には、作られた粒子を導いて色々な分析を行う装置があり、その装置のところでも研究の方が説明をされていました。

はっきり言って難解なものが多い中で、多少なりとも原理を理解できたのは医療分野で使われるPET(Positron Emission Tomography)=ポジトロン断層撮影の原理を説明する展示でした。

ポジトロン断層撮影というのは、一部を放射性同位体に組み替えたブドウ糖を体内に入れ、活性の高い腫瘍部分に集まった放射性同位体から発されるガンマ線によって腫瘍の位置を特定したり、観察したりしようとするものです。

放射性同位体から出た陽電子が電子とぶつかって消滅するときには、正反対の方向に2本のガンマ線を放射するため、観察対象の周りにリング状に配置した複数の検出器で放射を観察すれば、放射性同位体のある位置、すなわち腫瘍の位置を特定できます。

対消滅による2本のガンマ線が同時に反対方向に出るというところがミソで、2つの検出器で同時にガンマ線を観測した場合にのみ、その2つの検出器を結ぶ線分のどこかに放射源があると判断します。これは、外来ノイズの影響を避けることにもなります。

対消滅とガンマ線の放射は次々に起こりますから、ガンマ線を同時に観測した検出器どうしを線で結んで行けば、その線の交点にガンマ線の放射源が求められる…と、そんな仕組みだったと思います。

ガンマ線は透過性が非常に高いので、通常の検出器では飛来方向を特定するのが難しく、このような仕組みを使うそうです。

展示では、周囲を10個くらいのガンマ線検出器で囲った中にガンマ線の放射源が置かれていて、検出器がガンマ線を検出すると検出器の上のランプが点灯するようになっていました。

見ていると、数秒ごとに2つの検出器が同時に反応し、位置関係としては確かに「検出器」-「放射源」-「検出器」が直線上にありました。

放射源を移動させるとそれに応じて反応する検出器も入れ替わり、確かに放射源の位置が特定出来ることが分かりました。なるほど、と納得しました。

それにしても、陽電子などというものは教科書でしか見たことがありませんでした。

こんなに身近(?)にあったとは驚きです。

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これは加速器のある部屋への出入口です。

人が出て来ているところが開口部なのですが、扉はどこなのかと言いますと、なんと、手前にある赤い塊全体が「フタ」なのです。

フタの厚さは6m。これが床の上のレールを向こうに走って開口部を塞ぐそうです。

漏れてはいけないものがあるのは分かりますが、なんとも厳重です。

 

この理化学研究所の一般公開、今回は午後1時半くらいに入って時間いっぱい4時半までの見学でしたが、色々なお話を聞いていると全く時間が足りません。もしも行かれるなら、朝9時半の入場開始とともに入ることをお勧めします。

それでも展示の全てを見学し尽くすことはできないとは思いますので、予めテーマを決めて行かれた方が良さそうです。

兎に角、理科好き、物理好きの方には本当にお勧めです。

皆さん、是非どうぞ。

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コメント

さすが物理が得意なottoさんですね。
GWの過ごし方が素敵です。

わたしも中学までは理科が得意だったんですがね。。。
今も好きは好きなのですが、時代の流れにはついていけてないですね。(笑)

投稿: shalo | 2009年5月 8日 (金) 18時49分

shaloさんこんばんは。

物理を好きは好きなんですが、数学が苦手という致命的な欠点があるために理解が進みません。(笑)

まあ、お話程度に楽しんでいるところです。

投稿: otto | 2009年5月 9日 (土) 00時13分

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