« いじり屋さんの苦境~若者の自動車離れ | トップページ | ブロッコリーの収穫 »

2008年12月 6日 (土)

燃料ホースのこと~E32 750iL

Img_7870

750の燃料ホースを取り換えようと燃料ホースを買ってきました。BMW純正は高いという話だったので日産部品販売での購入です。内径φ8、2mで3,540円でした。

Img_7877

マークからすると住友ゴム(?)の製品のようですが、材質、スペック等の記載がなく、これら一切不明です。「8603」という型番らしきものとメーカー名で検索してもヒットなし。内層と外層ではゴムのテカりが違うので、一応、2層構造のホースではあるようです。

「インジェクションの高圧側に使える燃料ホースで内径8mm」と言って注文したので間違いないと思いますが、短期に劣化して燃料漏れ~炎上となどという事態は避けなければなりません。(笑)

日産部品販売さんではスペックの詳細情報を得られなかったので日産自動車のお客様相談室に電話してみましたが、

「部品販売で売っている補修用パーツについては当方では関知しない」

「日産部品販売に確認して欲しい」

との回答。ラベルにある部品番号からも検索ができないのだとか。

要するに、日産部品販売が補修部品を勝手に売っているという形のようです。

以前に日産の補修用品ブランドのファンベルトでトラブルが発生し、本物の純正部品への交換で問題が解決された理由が分かったような気がしました。

 

それはそうと、問題は燃料ホースのスペックです。

エンジンルームの中と言えば、最高温度が100℃を越えようかという環境。一般的なエラストマーが極性添加剤を含む溶剤(ガソリン)に接触しながら長期の使用に耐えるにはかなり厳しい環境だと思います。

もちろん一定の間隔で交換しても良いのですが、そこらじゅうをバラさなくてはいけないので何度もやりたくは…ありません。(笑)

多くの純正部品は10年以上に渡って問題を起こさずにいるわけで、現時点では問題を起こしていないその純正部品を捨てて、予防メンテナンスのために部品を交換するわけですから、純正よりも品質が劣るものを使うというのもあまり気分が良くありません。

 

そもそも純正にはどういうものが使われているのでしょうか。

部品を買う前にチェックしろと自分でも思いますが、ここで改めて現状の純正装着品を確認してみました。

まずはE32の場合です。

Img_7883

「FPM/AR/ECO」。

きちんと材質が書いてありました。ホースを買う前に確かめるべきでした。

この表示は、ゴム部分がFPM(フッ素)ゴム、ECO(エピクロルヒドリン)ゴムの2層構造になっていることを示しています。ARの表示は、補強層がアラミド繊維であるということを示しています。(CONTITECHのページに詳しい情報があります)

CONTITECのページには耐熱温度も書かれていて、FPMで220℃、FPM/ECO/AR/ECOという構造で125℃となっているようです。100℃を超えることが珍しくないエンジンルームの中で長期の耐久性を保証するには、このくらいの耐熱性が必要なのでしょう。

私が仕事で使う化学機器でも、このくらいの温度になると「長い間大丈夫」である必要がある箇所にはFKM等のフッ素系のゴム(Viton,Kalrez~ものすごく高価)を使います。(シリコンゴムは耐熱性には優れますが耐溶剤性に劣るので不可)

ちなみに下の写真はNM35ステージアに付いている「本物の日産純正燃料ホース」です。

Img_7873

同じく「FPM ECO」という表示が見えます。時代は変わっても材質は同じなんですね。

設計年次に20年以上の差があってもこれほど普遍的に用いられているものであれば、その実績を尊重しないわけには行きません。

 

改めてBMWのディーラーにFPM/AR/ECO製の純正同等品質のホースを切り売りしてもらえるのかどうか確認したところ、材質は確認できないが補修用に使う長尺ホース(約5千円/m)を工場に在庫しているので現物を確認してみては如何かとのこと。

明日、確認に行ってみようと思います。

親切なディーラーさんはエンジンルーム内の燃料ホース全部を個別の部品で買った場合の値段も調べてくれていました。1万円前後だそうです。

既にコストパフォーマンス的には無意味ですが、今回の件、勉強になりました。(笑)

« いじり屋さんの苦境~若者の自動車離れ | トップページ | ブロッコリーの収穫 »

」カテゴリの記事

DIY」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、燃料ホースについてググってこちらにたどり着きました。
当方はR32スカイライン乗りのため、M35ステージアもからめての品質のご確認、非常に助かりました。
日産の部品屋さんに頼んだところ、
廃盤&よこした代替品が耐圧0.2メガパスカルの大野ゴム製でして…
インジェクタ車なんだけど…と。
文中にお書きの日産の話に納得した次第です。

通りすがりではございますが、一筆お礼を申し上げたく、失礼いたしました。

しゅうさん、コメント有難うございます。
かなり更新をサボっておりますが同時代のクルマの情報としてご覧いただけたようで何よりです。
耐圧0.2MPaは危険ですね・・・・。
一部メーカーが部品再販の動きを見せていますから、日産さんにも頑張ってほしいところです。
また何かでご覧いただければ幸いです。

この記事へのコメントは終了しました。

« いじり屋さんの苦境~若者の自動車離れ | トップページ | ブロッコリーの収穫 »

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          

ottoの本棚

  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

  • クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

    クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
    内容は運動強度と栄養摂取に関する原則に特化しており、個別の運動についての詳細は含まれていないので注意。挿絵以外に図表は含まれない。 (★★)

  • マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

    マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    読書中

  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

    バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
    主な筋肉については起始と停止位置がその筋肉単独の状態で図解されているが、せっかくなら運動状態の図についても、その運動が主題にする筋肉だけを単独で図示してほしかった。その方が、その筋肉がどのような方向に力を発揮するのか、どのような方向に動作すれば筋肉に効率よく刺激を与えられるのかが分かりやすくなるように思う。筋肉の起始と停止位置が分からない図であれば、なにも表皮を剥いで筋肉を露出させた状態で運動の様子を描く必要がないのでは。 (★)

  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

    荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典
    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    (★★★)

  • 世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)
    素敵なグラビアを堪能。 (★★★)

  • 世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

Shops

  • Ride Out KAWASAKI 専門店
    友人である長谷川氏のバイクショップ。 杉並区善福寺一丁目青梅街道沿い。 KAWASAKI中心に取り扱い。

家作りリンク

家作りガイド

  • 住まいの水先案内人
    家作りに関する技術的な解説、資料、コツ、そして注意点が盛りだくさんです。非常に多くの内容が含まれていますが、それらが分かりやすく整理されています。このサイトを隅から隅まで読んで家作りに着手すれば余程のことがない限り致命的な問題が発生するようなことは避けられるのではないでしょうか。特定の工法、業者に傾いた解説も見当たらず、非常に良いサイトだと思います。
  • 建築家による1000問答の建築よろず相談
    基本的には建築に関係する相談のサイトです。建築士等によるQ&Aが充実しています。運営主体の性質上、建築士による建築計画・監理を強く推し、そのメリットを強調しています。

トレーニング

  • AthleteBody.jp
    このサイトのおかげで腹筋を割ることができました。無料サイトであるにも関わらず「ダイエットと筋肉トレーニングにおいて本当に必要なこと」が強調され、非常に有益な情報が提供されています。 夏前になると「6パックを手に入れる」的な特集を繰り返し組んで、色々な運動を羅列しただけの雑誌を買うのがバカバカしくなります。 多くの雑誌では、運動の優先度、そして何より時間軸でのトレーニングの進め方が載っていません。 「10回繰り返せるくらいの負荷で3~5セット行う」という書き方をしていることが多いのですが、「じゃあ、今日50kgのウェイトで10回3セット出来たとして、次回もその次も同じようにすれば良いの?」という疑問には答えてくれないことが殆どです。 読者がそう言った疑問を持たなければ毎回同じ負荷で同じことを繰り返し、つまり体は変わらない、ということになるわけで、記事として非常に中途半端であり不誠実です。 全員が6パックになってしまうと雑誌が売れなくなるので大事なところを端折っているのかも知れませんが。 このサイトでは、「行うべき基本」はシンプルで明確なので実行も容易。非常にお勧めです。
無料ブログはココログ