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2008年1月28日 (月)

昼休みの妄想~空気の浮力と重量測定

会社の昼休み、家の断熱材のことを考えていたら、ふと疑問が湧いてきました。

果たして私たちが量っている重量というのは正しく量れているのでしょうか?

急に何の事かと思われるでしょうけれど、例えば私が水の中に入って(防水の)体重計に乗ったとします。
やってみなくても分かるとおり、体重計はいつもより小さな数字を指すはずです。

言うまでもなくこれは水の浮力による効果で、決して私がダイエットに成功したわけではありません。(笑)

では、私たちが水から出て『空気の中で』量った体重は正しく量れているのでしょうか。

『空気の中で』というところがポイントです。空気にも小さいながら質量があるわけで、これによる浮力も必ず発生しているはずです。問題はその大きさで、それが無視できるほど小さければさほど気にしなくても良いのですが・・・。

昼休みの暇つぶしで計算してみました。

私の体重を80kg、肺の中の空気を除いた部分の密度を1.2とすると、私はたいだい56L=0.056立方メートルくらいの容積があることになります。

空気の比重量は1立方メートルあたり1.2キログラム毎立方メートルですから、私の体が排除している空気は0.056×1.2=0.067kgほどになり、結果として体重計の上での私の体重は実際よりも0.062kg=62gほど軽く表示されているはずです。

つまり私の本当の体重は思っていたよりも62gも多い!!ショック??

・・・って、まあこのくらいならダイエットの成否には影響ありませんね。(笑)

それでは、もっと大きなものではどうでしょうか。

 

例えばある作業で『正確に質量1,000kg』の水を量り取る必要があったとします。

おそらく指示を受けた作業者は金属でできた基準分銅で正確に秤を較正した後、秤に容器を載せて表示が『1,000.0』になるまで水を入れて行きます。表示がピッタリになったところで水を止めて作業者は『正確に水1,000kgを量りとった』と言うでしょう。

しかし・・・これではダメではないかと思います。

1,000kgの水は、ほぼ1立方メートルの体積を持っています。従って空気を1立方メートルぶん排除しているわけです。であれば、秤の表示ではそのぶんの空気の質量である1.2kgだけ目方が減って見えているはず。つまり、作業者が量り取ったのは水1001.2kgではないかと・・・。

『正確に』と言われたのに0.12%も誤差があったのでは困りますね。(笑)

空気による浮力を含めて考えると、較正に使う基準分銅と被測定物の密度は同じでなければいけないのか・・・と一人で納得。

 

・・・とここまで書いて、自分の経験にも思い当たるフシがありましたよ。

工業関係では『コリオリ式質量流量計』と言って、流体の流れるU字型に曲がったチューブに振動を加えることで、流体の質量流量を測ることのできる測定器があります。高精度なものになると誤差0.1%を謳った製品もあり、大抵は較正証明書も付いて来るような測定器です。

しかし、自分で作った機械でこれを使ったところ、同じく較正証明書の付いた秤(はかり)で得られる値とほんの少しだけ数字が合わず、その時は深く考えずに、1にかなり近い5桁くらいの換算係数を入れて誤魔化したことがありました。

今思うと、あれはもしかしてこの『空気の浮力』のせいだったのかも知れません。質量流量計では流体の『重量』ではなく『質量』を測るので差が出てしまったというわけで・・・。

ああ、エンジニアとして何たる失態!

 

それはそうと、今回の件、まずは『質量1,000kgの水』あたりから、『でんじろう先生』が実験で見せてくれたりしないかしらと思います。(笑)

 

※ 『重さ』は厄介です。『重さ』で量る量りには場所ごとに重力加速度による補正が必要で、精度を求める秤では地域ごとに較正して使います。『質量』を求めるのはもっと厄介です。浮力の問題を回避するためには『動かすのに必要な力』で評価することになります。

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