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2007年12月31日 (月)

ショックアブソーバー交換(1)~E32-750iL

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今回は750のフロントダンパー交換のレポートです。

上は正月休みになる前に仕入れた部品一式。時間節約のためにディーラーでまとめて手配してしまいました。電話で注文した次の日には工場に届いていました。さすがはディーラーです。

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今回のメインはこのダンパーカートリッジです。刻印はストラットシェルと同じくBOGEとなっています。刻印では中身がSACHSなのかどうかまでは分かりません。

社外品のほうが価格も安く、減衰力も高めでスポーティーにできるものも選べるようですが、せっかくなのでこの車では『純正の元の状態』に戻す方向でやってみようと思い、純正を取り寄せました。

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車にウマをかけた後、さっそくストラットAssy.の取り外しにかかります。ダンパーのシャフトには六角穴があってトップナットを緩めるのは簡単でした。過去、この時点で困った車があったのを思い出します。

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引き続き、ブレーキキャリパー、ローターを取り外します。

スタビライザーリンクのボールジョイントを取り外すにはタペットレンチがあると良いかも知れません。ナットの反対側を押さえるのに普通のオープンエンドレンチは入らなさそうです。

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引っ越しのときに実家から回収してきてあってラッキーでした。工具ひとつでも無ければ作業がストップですからね。

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ベースと固着したストラットを外すには角材でアームをこじるだけでは少々力不足でした。写真の部分にタガネを入れてめでたく分離です。

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この写真では、一つとして同軸上にない各揺動接点とアーム類の関係が分かります。

タイロッドがリンクを押したり引いたりするときのアーム類の動作を想像してみると、ストラットの中心軸が一定の位置と角度にあるわけではなく、転舵とともに各リンクの位置関係がこじられるように動くことが分かります。

限られたホイールハウスのスペースの中で高速安定性のために必要となる大きなキャスターアングルと、最小回転半径を確保するための切れ角を両立させるためなのでしょうか。

少々疑問なのは、例えばこの車が右に転舵し、写真に見えている左側のサスペンションがコーナーの外側になるとき、ストラットの下端が後方内側に引っ込むように動いてしまうことです。そうなると、どうしてもコーナー外側のタイヤの対地キャスターはポジティブ方向に変化してしまうように思います。

一方、リヤのセミトレは、いくらコントロールリンクでトーがバンプインになる傾向を制御したとしても、スイープバック角がある限りキャスターはバンプでネガティブ方向に動くはずです。

結果、ステアリング特性は強いアンダーを示すのではないかと。ただ、ある程度以上の速度での舵角なんてたかが知れているのであまり影響はないのかも知れません。

ここは前から疑問に思っていたところなので、別記事を書きながら自分なりに考えてみようと思います。ネットで見る限りE36ではストラットの下端を支えるアームは1体のL字型になっているようですね。

何れにしても、各ブッシュ、ボールジョイントが相当の負担を受ける構造であるということに間違いはないでしょう。

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外れたストラットです。スプリングの巻き数がそれなりに多くて安心しました。巻き数の少ないスプリングはスプリングコンプレッサーで縮めるのに苦労しますから。

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スプリングコンプレッサーは以前に使っていたMONROEのものが行方不明(社宅の物置?)になってしまったので World Import Tools で新調しました。

ボルトの先端に1/2角のラチェットが入るところは使い勝手が良いのですが、ネジ部の精度や全体的な剛性感はいまいちです。特に、ボルトの頭と爪の間のワッシャーが何故かスプリングワッシャーになっているのはちょっと意味が分かりません。

取り外しにあたっては、挟む巻き数が出来るだけ多くなるようにスプリングコンプレッサーをかけます。それでもスプリングが外せるようになるにはかなり締め込む必要がありました。おそらく自由長は相当長いのでしょう。

今回はダンパー交換なのでストラットに組み付けた状態以外でスプリングを解放する必要はありませんでしたが、もしもこれがスプリング交換だったらスプリングコンプレッサーのストロークが足りたかどうか分かりません。

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シェルケースのロックナットにはこのようなカバーが付いていました。側面の穴からマイナスドライバーでこじって外します。

外観上はダストシール部分からのオイル漏れもなく、良好な状態に見えました。シャフトをしっかりと守ったジャバラブーツのおかげでシャフトには傷もありません。ただ、手でシャフトを動かしてみると筋トレ用のパワーエキスパンダーにもならないような状態でした。これでダンピングもくそもないというか何と言うか…です。

 

さて…

問題はこのロックナットでした。

事前に見ていた部品図ではカニ目で行けるように見えたのですが…

想像していたのとは形状が全然違いました。(泣)

用意していた自作SSTで回そうとしたものの敢えなく玉砕。(笑)

さて困ったぞ…と。

部品に傷が付くのでできるだけ使いたくなかったのですが、止むを得ずパイプレンチを使うことにします。

ただし、うちには未だバイス(万力)がありません。ロックナットをパイプレンチで掴むことは出来ても、ストラットを押さえることができないのです。自作SST+打撃スパナの要領で緩めるつもりだったのですが、やはり無謀でした。やっぱり実家から外して来るべきだったと思っても後の祭り。

「イッツ・アフター・ザ・フェスティボー」。

 

さて再び困ったぞ…と。

と、いうわけでストラット固定用SSTの登場です。

 

 

 

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はい、ボディーです。(笑)

スプリングを外したストラットを仮付けし、この状態でパイプレンチをかけて、無事にロックナットを緩めることができました。ストラットのシャフトに少々曲げがかかりますが、走行中にかかる力と比べればどうということはないでしょう。

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バラしたストラットの内装品と新しいカートリッジです。ストラットの中身を見るのはR31以来7~8年ぶりでしょうか。懐かしい!

ロックナットのカバーには「高圧ガス注意」書いてあったのにガス圧など少しもありませんでしたし、中に入っていたオイルは本当にシャバシャバの状態でした。

ところで、よくダンパーの減衰力が低下することをショックが『抜ける』と言いますけれど、一定の走行を経たダンパーの減衰力が低下する一番の理由というのは何なのでしょうか。

オイルシールが壊れて油が無くなってしまうというのは別として、各ピストンのオリフィスの寸法が変わってしまうようなことはないでしょうし、熱処理されたディスク類が弾性を失ってしまうというようなことも考えにくいでしょう。

確かにガスは抜けるようでしょうけれど、キャビテーション防止がガス加圧の目的であるはずですから、直接減衰力を低下させる要因になるとは考えにくいかと。

結局、中に封入されているオイルの粘度が変わってしまうのが一番の理由なのでしょうね。

勤務先で使う高分子も高いせん断力をかけて撹拌すると分子がすたずたに切れてしまいます。エンジンオイルと同じく、ダンパーの中のオイルもせん断を繰すことで粘度が段々に下がってしてしまい、結果としてダンパーの減衰力を低下させるのでしょう。

だったら中のオイルだけを入れ替えてやれば…

たぶん可能でしょう。

以前の記事に書いたとおり、シェルケースに若干の加工を加えて中のオイルを入れ替えて再加圧できるようにすれば…

これについても、ダンパーの内部機構と共に後ほど記事にしようと思います。

とりあえず、冷却のための少量のマシンオイルと共に新しいダンパーカートリッジをシェルケースに入れ、取り外しと同じ方法でロックナットを締めつけました。

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これはバンプラバーとシャフトブーツです。もちろん右側が新品です。

旧バンプラバーが縮んでいることとBMWがそれを『アブソーバー』と呼んでいることを考え合わせると、結構な頻度でこのバンプラバーが機能していることが想像できます。

スプリングシートは上下とも新品に交換しました。旧品は9万キロ走行でも裂けたり千切れたりしてはいませんでしたが、新品と比べてつぶれていることは明らかでした。

数ミリのつぶれでも部品の寸法から見ればけこうな割合です。ストラットのように垂直方向の(微小な)衝撃の逃げ場所がスプリングシートとアッパーマウントくらいしかない構造の場合は、けっこうライドへの影響があるのではないかと思います。

高価な部品ではありませんし、せっかく作業するなら…です。

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ストラットを組み付けたところです。いつもそうなのですが、バックプレートの裏側等、無意味な部分を磨いていたら余計な時間がかかってしまいました。

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キャリパーを取り付けて完成です。

特に変わった構造の部分もなく、まあ、順調に進んだ部類の作業だと思います。

 

さて、生まれて初めての純正ダンパーへの交換作業。

車はどう変わったのでしょうか?

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  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

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