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2007年8月10日 (金)

パソコンのボトルネック~画面解像度

すこし前のカーグラフィック誌に、創刊以来、今までに行われたすべての動力性能試験の結果が収められたDVDが付属していました。

この資料はPDFファイルで収録されていて、印刷も抽出もできない設定になっているため、パソコンの画面で読むことしか出来ません。おそらく著作権や昔からの読者への配慮があってのことなのでしょう。

ただ、検索すらできないように設定してあるので、目的のデータを探すには、テスト時期を手がかりにお目当ての車の名前が見つかるまで、ひたすらリストを見て行く必要があります。

そしてこれが、ものすごく見にくい(!)のです。

表が画面の幅いっぱいに表示されるようにすれば文字が滲んで読み取れず、文字が判別できるところまで表示を拡大すると左右が納まらず、という具合です。

1車種についてのデータを読むのに画面をいちいちスクロールさせなければならないというのは非常にストレスです。

 

考えてみると、仕事で使う資料でも、パソコンの画面ではどうしても読む気になれず、「とりあえず紙にプリントしてから読もう」ということがよくあります。

また、誤字脱字など、パソコンの画面で編集しているときには気付かずに、紙に印刷してから気付く間違いというのもよくあります。

要するに、画面上の文字は読みにくいのだと思います。

15inchの画面はA4の紙と同じくらいの大きさがあるのですから、寸法的には文書を表示するのに不足はないはずです。それなのに画面のほうがずっと読みにくいというのは、いったい何故なのでしょうか。

小さな文字が滲んで読めなくなってしまうことから考えると、まず、画面の表示解像度が不足している可能性が高そうです。

画面の表示解像度が印刷物と同じくらいあれば、紙に印刷された文書でも、画面に表示された文書でも、同じように見えるはずですから。

 

そこで実験してみました。

いろいろなサイズの文字を、画面の表示と印刷物とで比較してみるのです。

いい加減な実験ですが、解像度の雰囲気をつかむには十分でしょう。

単純に計算上の解像度で比較しなかったのは、そういった数字よりも、実際に目で見て判読できるかどうかが重要だと考えたからです。

結果は下の写真のとおり。

Img_5220

左がパソコンの画面、右が印刷物で、紙を画面の前に置いて撮った写真です。

画面はDELLの15インチ液晶。解像度は1024×768。ごく普通の製品です。

画面に表示しているのはWordで、A4サイズを等倍に表示するように設定して比較しています。文字は上から1ポイント、2ポイント・・・と、下に向かって順に文字サイズを大きくしています。

印刷物は、解像度600dpiの普通のレーザープリンターで出力しました。

写真では実際の文字サイズが分からないと思いますので、定規と一緒に写したのが下の写真です。3ポイントの文字で、高さが約1mmというところです。

Img_5230

1mmの文字というと、とても小さな文字のように感じるかもしれませんが、手元の小さな辞書のルビはこのくらいのサイズでしたし、その他にも色々なところでこのくらいのサイズの文字を見つけることができました。

 

さて、それぞれの文字を鑑賞(?)してみましょう。

液晶画面は、とにかく文字の形が荒く見えます。

3ポイント以下(上から3番目まで)では、まともに表示することを放棄しているようです。

四角い棒のような表示になっています。(笑)

文字が確実に識別できようになるのは、9ポイント以上です。(カーソルがあるところ)

Wordの文字サイズの初期設定が10.5ポイントである理由が分かったような気がします。

 

一方、印刷物はすごい解像度です。

さすがに一番上の1ポイントでは判読不能ですが、ルーペで見れば惜しいところまで解像しています。

そして、2ポイントでは目視で普通に文字を判読することが可能です。

 

印刷物では2ポイントの文字が判別できるのにパソコンの画面では9ポイント以上しか判読できないとは、これはもう圧倒的に解像度が違います。

単純計算で言って、パソコンの画面は印刷物の1/5程度の解像度しかないということになります。

情報量は二乗で効いてきますから、パソコンの画面から人間が読み取れる情報量は、印刷されたものの1/20でしかないということでしょう。

これだけ差があれば、イライラを感じても何の不思議もありません。

つまり、紙に印刷されたものと同じだけの解像度で文字を表示するためには、画面のドットピッチを今の4~5分の1くらいまで小さくする必要があるということです。

 

こうしてみると、人間がパソコンの画面という窓を通して情報を扱う上で、その表示能力は大きなボトルネックであると言えそうです。

少なくとも、紙媒体で使うことを前提とした書式をそのままパソコンで扱おうとしたら、必ずそこがボトルネックになります。

逆に、ホームページのように初めからパソコンの画面で見ることを前提として設計されたものには不便を感じることはありませんから、要は表示の設計の問題です。

役所の電子申請云々も良いのですが、ほとんどが2次利用を考えていない紙媒体の書式をそのまま電子媒体に書き換えたようなものばかり。彼らも結局は紙にプリントして処理しているのではないでしょうか。無駄ですね。

紙媒体での保存と電子化を両立しようとするのなら、能力の低いほうに書式を合わせるのが合理的ではないでしょうか。つまり、全ての書式を、せいぜい100dpi程度のパソコンの画面で十分に閲覧できる形式に作り変えるのです。(笑)

 

まあそれはそれとして、パソコンの画面には更なる解像度の向上を希望します。

600dpiが厳しければ、せめて200dpiでも良いと思います。

カーグラフィック誌のPDFデータから発進加速のデータを探すのにイライラがたまって倒れそうですから・・・。(泣)

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