腐食に注意~コーススレッド
ウッドデッキをお作りになろうとしている、あるいはお作りになっている皆様、コーススレッドは必ずステンレス製、あるいは防錆がしっかりしたものを使いましょう。
写真は、私たちの家のウッドデッキに使われていたコーススレッドです。
水曜日に、ちょっとした加工のためにウッドデッキをバラしてみたらこの有り様でした。
組み立ててからたった3か月程度しか経っていなのに、ネジの首の部分がひどく腐食しています。
一部のネジは緩めようとしたときに折れてしまいました。それもほとんど抵抗なく、です。
あれ?ネジがバカになったかな?という感じでした。
折れ込んだネジの先端は、もう取り出すことができません。
破断面を見ると断面が全体的に変色しています。
つまり、ネジを緩めるときに破断したのではなく、この短期間に内部まで腐食が進んでいたわけです。基本的には屋内用の製品だとは思いますが、いくらなんでもメッキの品質が低すぎるように思います。
メッキといえばこのネジ、デッキを組み立てている時から表面のメッキがキラキラと剥がれ落ちていました。一体どんなメッキをしたのでしょうか。初めから品質の良くない製品だったようです。確かに箱売りとしても安いネジでしたが。
また、デッキ材にセランガンバツーという硬い木材を使ったことも腐食を進める原因になったと思います。
セランガンバツーは材が硬いため、デッキ材を留めるときには材に貫通穴を開けてからネジを通します。そのため、ネジの首の周りには必ず隙間が出来、そこに雨水が溜まって腐食の原因になるようです。腐食したネジを見ると首の部分だけが酷く腐食していますから、おそらくそれは間違いないでしょう。
また悪いことに、ちょうどネジ山が始まって軸径が細くなるあたりに腐食が目立ちます。デッキ材に開けた穴の下のほうに水分が残って腐食を進めたように見えます。おかげで余計にネジが折れ込みやすくなっています。
一方、濡れてもすぐに乾くネジの頭、そして木材と密着しているために水分が浸入しないネジ山部分には目立った腐食はありません。外気と水分の条件次第でこれほどまでに腐食の状況が変わってくるわけです。
『湿った状態での外気との接触』
水分を通して酸素が継続的に供給されるこの状況は鋼材の腐食にとっては最悪の条件。油断していました。
そんなわけで、ウッドデッキ製作にあたっては、ぜひステンレス製コーススレッドをお使いになることをお勧めします。
値段はだいぶ違いますが、鋼製がたった数ヶ月でここまで酷い状態になるようでは、ステンレス製のものを使わざるを得ません。私が使ったような安物コーススレッドを使っていたのでは、木材がダメになるずっと前にネジが破断してデッキが瓦解してしまうことでしょう。
私の想像では木材がグズグズになるのと金属部分が腐食でやれるのは同じくらいの時期かと思っていたのですが、全くの見込み違いでした。少なくとも今の段階では木材のほうが余程しっかりしています。むしろ、乾燥が進んで強度が増しているようにさえ感じます。
ちなみに、ネジが折れてしまうほど腐食していても、上から見たのではそんなことは全く感じられませんでした。さもきちんと留まっているような振りをして、実は既に破断しているネジもちらほら。ネジが取り外せないほど腐食しないうちに、デッキの骨組みの部分も含めて全体的にネジを交換しようと思います。
少なくともデッキ材を留めているネジだけは、すぐにステンレス製のものに交換しなければ…。
- 雨じまい、結露の処理がまともに出来ていないと、家本体に使われている釘もビスも、そして鉄骨も同じように腐食するんでしょうね。もちろん、薄い鉄板で出来た自動車が屋外で十年以上放置されて錆のない状態でいられるわけですから、表面処理次第ということなのでしょうけれど。
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コメント
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んー。
これは怖いですね。
このネジに使われているメッキは、見たところユニクロのようですが、そんなに錆に弱いメッキではないはずです。
バイクに使われるボルトの大半はユニクロですし。
メッキの下地処理が甘かったんでしょうね。
それとottoさんのお考えの通り、環境でしょうね。
何にせよ、デッキの崩壊前に発見できてよかったじゃないですか。
今度は貫通穴に雨水が入り込まないようにコーキング処理もされてはいかがでしょう?
いくらセランガンバツーとはいえ、ネジ穴内に湿潤な状況が続けば、その部分が脆くなってくるのではないでしょうか。
投稿: shalo | 2007年9月 1日 (土) 01時49分
おはようございます~
私が中学生のとき、よく電気工事業を営んでいる私の父親に連れられて、新築現場へ仕事の手伝いをしに行きましたが、そこには釘が箱に入って置いてあったのですが、雨水で濡れていて、中の釘はサビサビでした。
ウッドデッキを自作される方は、釘の品質や防錆処理について配意する必要があるでしょうね~
ちなみにわが家の父親は、庭の縁側を自作していました。
投稿: たーちゃん | 2007年9月 1日 (土) 06時29分
shaloさんこんばんは。
そうなんです。ビスの箱には「ユニクロ」と書いてあったんです。青白い銀色ですから間違いないと思います。金色っぽくはないので、有色クロメートではないようです。
メッキ厚とか下地処理とか色々差があるんでしょうね。
今日明日で作業の予定ですが、昨日買ってきたのはSUS410のコーススレッドです。
13CrですからSUS304ほどの耐食性ではないにせよ、まあ、今度はそう簡単にダメになることはないと期待しています。
投稿: otto | 2007年9月 2日 (日) 02時19分
たーちゃんさんこんばんは。
いや、本当に油断していました。まさかここまで簡単に腐食するとは。
釘の類も普通のものはそれほど耐食性の高い表面処理をしていないでしょうから、濡れていれば錆び錆びになるでしょうね。
とりあえずSUS製のビスに替えてみて、またしばらくしたら取り外してチェックしてみます。
投稿: otto | 2007年9月 2日 (日) 02時23分