« そういうのは嫌い | トップページ | 木のこと »

2007年6月 8日 (金)

庭の改良~暗渠の設置と表土入れ替え

Dsc_4032

水はけ改善のため暗渠の設置と表土の入れ替えについては庭造りの記事の中で詳しく書いていなかったので、何かの参考になればと思い、ここで記事にしておきます。

以前の記事で書きましたとおり、私たちの家の庭は水はけが非常に悪い状態でした。区画整理で掘り起こした柔らかい赤土の下に水を通しにくい粘土層があるために、雨が降ると土が大量の水を吸い込んでそのままになってしまうのです。おまけに、家が傾斜地にあって上の土地からの水が流れ込んで来ることもあり、特に寒い時期の大雨の後は、一週間経っても庭がぬかるんで歩けないような状態でした。

また、水はけの話と矛盾するようですが、この赤土は水を含むとものすごくぬかるむくせに、ちょっと雨が降らないと、表面だけは簡単に乾いてしまいます。そんなときは庭がまるで火星の表面のように(?)なってしまうのです。

水浸しになるわ乾燥するわ、そんな状態では植物に良いはずがありません。庭いじりを始めるために、この水はけの改善と、表土の入れ替えは必ず必要な作業でした。

Img_3675

① 暗渠の設置

暗渠は庭の各平面部分に敷設しました。透水管は塩ビ製で直径100mm、掘削深さは深いところで約60cm、幅も同じくらいです。南側の庭では、一番上の写真のとおり、管と管の間隔を約1.5mにして3本を敷設しました。暗渠が”E”の字の形になっています。

暗渠の寸法的な仕様は、私が大まかに決めて造園屋さんに伝えました。数値的な根拠はなく、庭の土をいじってみた感覚で適当に決めました。途中、「暗渠を3本も入れると乾きすぎるのでは?」との指摘があり、私としても確たる根拠があって決めた仕様ではないので、造園屋さんがそう言うのなら減らしても良いと思ったのですが、結局は当初の計画どおり3本で行くことになりました。

管の周りにはまず直径10cmくらいの大きな石を入れ、それから地盤面までを砕石で埋めたようです。(その部分の工事は見られませんでした) この石の入れ方は、できるだけ詰まらないようにとの造園屋さんの工夫です。

暗渠の敷設後、その上には、庭の平面部分全体にわたって砂利を敷きました。表面の土からから浸透した水が、この砂利層を浸透して暗渠に集まるようにするためです。

透水管は最終的に全て集合させて、庭の端に設けた枡につなぎました。

Dsc_4045

これは西側の部分です。家側にはウッドデッキを置くための土間を作る予定でしたから、暗渠は一本だけです。低くなっている部分の幅が約3mありますので、もしも土間を作らないのなら暗渠3本は必要だろうと思っていました。

枕木の下のあたりには、手前から奥に向かって、かなり深いところに暗渠が走っています。建物の建築工事のときに一緒に敷設したものです。前にも書きましたとおり、この暗渠の水は500Lのタンクに集めて庭の水遣りに使っています。

Dsc_4049

透水管は上の写真のような形で集合します。けっこうな長さがあるので、それほど大きな勾配をとることができませんでした。水が管の中をうまく流れているのかどうか、少々心配です。

② 表土の入れ替え

水はけを良くするため、庭の平らなところ全面に砕石を敷いた後、植物のために概ね10~15cmの厚さで黒土(正式には何と言うのでしょう?)を入れました。土を入れるだけとはいえ3トントラック(?)で1回半くらいの土が必要でしたから、とてもDIYの範囲ではありません。やはり専門屋さんが頼りです。

造園屋さんが持って来てくれたのは、目が細かくて真っ黒な、感じの良い土(?)でした。上の写真で枕木の右の部分が黒くなっているのもその土です。あまりにも細かくて均一なのでお聞きしたところ、「篩いにかけている」のだとか。あの量を篩いにかけるって・・・まさか、機械ですよね。

見かけ的にも、赤土が出ているのと黒土が出ているのとではだいぶ雰囲気が違い、より自然な感じになりました。造園屋さんに頼んで余分に土をもらったので、芝の目土その他、色々に使っています。かなり大きな袋で5袋くらいあるので、相当量が余るでしょう。余りは赤土が露出しているところに撒いてしまおうと思います。

Dsc_4099_1

そんなこんなで今はこんな様子です。

あのときのような”記録的豪雨”には幸なことにまだ出会っていませんが、普通の大降りレベルでは、もう水の心配をする必要がなくなりました。妻が一生懸命植えた芝も、どうやら無事に根付いたようで青々と葉を伸ばしています。

だいぶ規模の大きな工事になってはしまいましたが、暗渠についても表土の入れ替えについても、期待したとおりの状態にするには必要な規模の工事だったと思います。どう考えても、私のDIYでは絶対に不可能でした。

さて、これからの梅雨の時期、果たしてどうなるでしょうか。

« そういうのは嫌い | トップページ | 木のこと »

庭いじり」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2022年2月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          

ottoの本棚

  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

  • クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

    クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
    内容は運動強度と栄養摂取に関する原則に特化しており、個別の運動についての詳細は含まれていないので注意。挿絵以外に図表は含まれない。 (★★)

  • マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

    マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    読書中

  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

    バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
    主な筋肉については起始と停止位置がその筋肉単独の状態で図解されているが、せっかくなら運動状態の図についても、その運動が主題にする筋肉だけを単独で図示してほしかった。その方が、その筋肉がどのような方向に力を発揮するのか、どのような方向に動作すれば筋肉に効率よく刺激を与えられるのかが分かりやすくなるように思う。筋肉の起始と停止位置が分からない図であれば、なにも表皮を剥いで筋肉を露出させた状態で運動の様子を描く必要がないのでは。 (★)

  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

    荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典
    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    (★★★)

  • 世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: Octane日本版 Vol.12 (BIGMANスペシャル)
    素敵なグラビアを堪能。 (★★★)

  • 世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

    世界文化社: オクタン日本版特別編集 VANTAGE (BIGMANスペシャル)

Shops

  • Ride Out KAWASAKI 専門店
    友人である長谷川氏のバイクショップ。 杉並区善福寺一丁目青梅街道沿い。 KAWASAKI中心に取り扱い。

家作りリンク

家作りガイド

  • 住まいの水先案内人
    家作りに関する技術的な解説、資料、コツ、そして注意点が盛りだくさんです。非常に多くの内容が含まれていますが、それらが分かりやすく整理されています。このサイトを隅から隅まで読んで家作りに着手すれば余程のことがない限り致命的な問題が発生するようなことは避けられるのではないでしょうか。特定の工法、業者に傾いた解説も見当たらず、非常に良いサイトだと思います。
  • 建築家による1000問答の建築よろず相談
    基本的には建築に関係する相談のサイトです。建築士等によるQ&Aが充実しています。運営主体の性質上、建築士による建築計画・監理を強く推し、そのメリットを強調しています。

トレーニング

  • AthleteBody.jp
    このサイトのおかげで腹筋を割ることができました。無料サイトであるにも関わらず「ダイエットと筋肉トレーニングにおいて本当に必要なこと」が強調され、非常に有益な情報が提供されています。 夏前になると「6パックを手に入れる」的な特集を繰り返し組んで、色々な運動を羅列しただけの雑誌を買うのがバカバカしくなります。 多くの雑誌では、運動の優先度、そして何より時間軸でのトレーニングの進め方が載っていません。 「10回繰り返せるくらいの負荷で3~5セット行う」という書き方をしていることが多いのですが、「じゃあ、今日50kgのウェイトで10回3セット出来たとして、次回もその次も同じようにすれば良いの?」という疑問には答えてくれないことが殆どです。 読者がそう言った疑問を持たなければ毎回同じ負荷で同じことを繰り返し、つまり体は変わらない、ということになるわけで、記事として非常に中途半端であり不誠実です。 全員が6パックになってしまうと雑誌が売れなくなるので大事なところを端折っているのかも知れませんが。 このサイトでは、「行うべき基本」はシンプルで明確なので実行も容易。非常にお勧めです。
無料ブログはココログ