750iL写真集(10)
750のクルーズコントロールはごく基本的な動作しかしませんが、実に分かりやすくて実用的です。
- クルーズしたい速度でレバーをチョンと前に倒すと現状の速度でオートクルーズに入る。
- 加速したいときは前へ、減速したいときは手前へレバーを倒すと、その間だけ加減速する。
- レバーを前後にチョンチョンと倒すと1km/h刻みで速度を微調整できる。
- レバーを上下方向に動かすか、ブレーキを踏むかするとオートクルーズが解除される。
- レバーを軸方向に押し込むと、前回設定した速度でオートクルーズする。
という動作です。
車間追従などの付加機能は一切ありませんが、なにしろ操作がシンプルで、高速道路の現実の流れの速度でも確実に設定が利くところがなんと言ってもありがたいところです。流れの状態が変わっても、レバーの操作で車速が微調整可能なので、アクセルにはほとんど触れる必要がありません。そして、レバーは目で見なくても確実に操作できる場所と大きさに作られています。
通常の操作とは関係ありませんが、ギアを動かしてもオートクルーズはそのまま動き続けます。当然、一定の車速を保つためにエンジンの回転数は変わるのですが、シフトレバーの操作と同時にほとんどショックを感じさせずにエンジンが回転を調整します。だったら減速のシフトダウンでも日産で言うシンクロレブが簡単にできるような気がするのですが・・・とりあえず、そういう動作はしません。
余裕のあるエンジンのおかげで、オートクルーズの速度設定を上げたからといって無闇にシフトダウンしてしまったりするようなことはありません。NM35ステージアのオートクルーズとは躾が違います。
ちなみに車間追従機能を持ったステージアの場合、オートクルーズの設定は下のとおり。
- ステアリングにある車間追従装置のスイッチをオンする。
- 同じくステアリングに付いている車速設定スイッチを下に押し下げると、現状の速度で車間制御オートクルーズに入る。
- 加速したいときは上へ、減速したいときは下へスイッチを倒すと、5km/h単位で設定車速を変えられる。
- 追従車間距離はスイッチで3段階に切り替えられる。
- キャンセルスイッチを押すかブレーキを踏むかするとオートクルーズは解除される。
文字で読むとそれほどの差は感じられないと思いますが、実はこんな感じでとても不便です。
- オートクルーズを設定するのに2ステップの操作が必要。
- 目視せずに使うのが前提であるにも関わらず、ステアリングに設けられたスイッチが全て小さい。
- スイッチでの手動速度設定が5km/h単位でしかできない。任意の速度に設定したければ、アクセルでその速度を作ってから再度車速設定スイッチを操作しなければならない。
- オートクルーズ機能と車間追従機能が切り離せない。
- 設定速度上限が110km/hなので、郊外に行くと・・・(笑)。
この不便さ、その車だけを見ていれば「こんなもの?」と思うかも知れませんが、750の操作性と比べるとその差は歴然としています。
ステージアの車間追従制御のラフさは前にも書いたとおりですから、そんなものを付けるくらいなら単なるマニュアル式のオートクルーズにして、細かく車速を設定でき、かつ、オートクルーズ中はシフトを固定してしまっておいてくれたほうが余程使い心地が良いのではないでしょうか。
そもそも、車間追従が有効に機能するのって、渋滞のときの停止~低速追従の制御か、高速での長距離巡航ですよね。設定速度50km/hから110km/hでしか使えないラフな制御の車間追従オートクルーズって・・・?
スイッチの操作性にしても、目視せずに操作しやすい750のような操作系にしようと思えば、そんなこと、べつに技術も何も必要ないですよね。単に形状をそのように設計すれば良いだけのことです。まさか見た目のアピールのためにステアリングの正面にスイッチを並べたかった、そのせいで操作性は犠牲になった・・・というわけでもないでしょうに。
こういうものを見ると、750は当たり前のものを当たり前に作ってあるなあと感心してしまいます。
古い車をたった一台だけを見て無闇に「BMWは素晴らしい」「ドイツ車は質実剛健な造りだ」というつもりはありませんが、ステージアを見ると「何をやっているんだか」と思うところもちらほら。
良し悪しは別として、設計思想に違いがあることだけは確かのようです。
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