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2007年3月16日 (金)

まじめにやって・・・

「その件についてご要望をいただいていたのは記憶にあるのですが、詳細の仕様をいただいていなかったので手配しておりません。」

これ、もはや仕上げ工程に入っている工事の工程会議の席で、某エンジニアリング会社の担当が発した言葉です。

まさにエンジニアリング会社にあるまじき発言です。

機器の仕様をこちらが詳細に決めて提示するくらいなら、わざわざエンジニアリング会社を使う必要がないでしょう。自分で直に施工会社に発注しますよ。そのほうが安いんですから。

仮にも”要望がある”ことを把握していたのなら、それをどのように実現するのか検討して顧客に提示し、その承認を得て実施手配を行うのがエンジニアリング会社の仕事のはず。

どうしても顧客から詳細仕様を得る必要があるようなら、顧客がその仕様を決められるようにアドバイスするのもエンジニアリング会社の仕事です。

この担当者さん、エンジニアリング会社の看板を背負って客先に出かけてきているのに、そういう意識が全くないのです。何かを完全に誤解しているようです。基礎の鉄筋に対するかぶりの不足も私が指摘して初めて気が付く始末。全く信頼できません。

作っている設備は倉庫です。建物の中に移動ラック式の架台が入るので、電気的な動きも多少は絡んでくる設備です。なので、顧客の要望を満足させて所期の設備を完成させるには、当然、電気関係の手配も必要なのですが、

「(自分は建築士を目指しているので)建物のこと以外は知りません」

という態度が見え見えなのです。

今回トラブっているのは単に照明と動力電気回路の設計です。そんなものは一般住宅を建てるにしても当たり前のように使われる要素であって、それをきちんと監理できなくて、なにが建築士ですか。

要するに建物一式を建てるには知識が完全に不足していてまとめられないということではありませんか。

ご本人は建築士としての意匠設計の分野に興味があるようなのですが、会社の仕事でそんなことを言っていてもらっては困るのです。こちらが発注しているのは四角い倉庫であって、意匠など必要ありません。しっかりした構造のものが安価に建てばそれで良いのです。

そもそも、だから前々から電気制御の仕様書を作成して提示しろと言っていたんです。なのにそれをせずに建物の完成検査の日程を決めようという今になって、”来たよ、始まったよ”という感じです。

自分は夢のような家を思い描くだけ思い描いて、あとは作り手に「適当に作っておいて」とやるのは、余程の芸術家が”作品”を作るときか、自分のお金で自分の家を建てるときだけにしてもらいたいものです。

ましてや一般の建築士として個人で仕事を請け負って住宅を建てようとするなら、それこそ住宅建築の全てをきちんと知っていなければ、その人に仕事を頼もうとする人なんているわけないでしょう。今の状態だったら、私なら絶対に頼みませんよ。

それに、年配の人から見たら一発で信頼感をなくされそうなのか彼の言葉遣いです。

「”僕”は電気が弱くって・・・。機械も正直言って良く分からないんです・・・。」

「社内の”○○さんにもうかがった”んですが、それはできないということで・・・。」

あのですねえ。もしも自分で仕事をするというのなら、はっきり言って、その言葉遣いからなおさないとダメですよ。

いまどき電気のない家なんてあり得ないでしょう。照明、空調、その他電力系の配線はおろか、情報通信配線、などなど。

電気への暗さは工事の初めのときから感じられたんですよ。

「電気の1次側工事の都合があるんだから、設備全体の電気仕様を教えてください」

と言うと、

「200Vと100Vがあれば良いです。」

ですと。

「だーかーらー、電流と電圧と相数は???」

と言っても意味が分からない様子。

結局、分からないから自分でそのことを自分で処理できずに放置していたわけですよね。

こちらからは何度も催促したのに最後の最後になって

「その件についてご要望をいただいていたのは記憶にあるのですが、詳細の仕様をおうかがいしていなかったので手配しておりません。」

です。

言葉がありません。

さも

「そちらが決めなかったからいけないんだ」

と言わんばかりのもの言いです。

で、頭に来たから調べましたよ。議事録を。

そうすると、一番初期の議事録にきちんと記載があるんですよね。

すぐにスキャナーで撮ってメールで送りました。

「当方の解釈が間違っていなければこのとおりかと存じます。お手数ですが再度内容をご確認ください」

と書いて。

自分で監理しきれないのなら、然るべき社内の担当者にきちんと連絡をとれば良いのに、自分は「(建築士を目指しているので)建物の担当」という意識ばかりで、それもしないわけです。

別に当社はその担当者個人に発注している訳ではなく、その所属するエンジニアリング会社に発注しているのですから、そのエンジニアリング会社の誰に連絡をとっても、社内で適切に情報が共有化されて同じようにレスポンスが帰ってこなければおかしいのです。

こちらはなにも、その場で回答しろと言っているわけではないのですから。

プロジェクトに問題が発生したとき、「私はそれを予見していた」という人物が必ず出るという皮肉がありますが、それにしても、だから私は初めから積水ハウス式に着工前に全ての仕様を決めるべきだと主張していたんです。

20年も付き合いのあるエンジニアリング屋さんということで完全に油断していました。

エンジニアリング会社さんに対する不満と、担当者さんに対する不満が一緒になってしまいましたが、いずれにしても不満は不満です。

社内のルールとしてなのかどうか、完全に仕様を決めるまで製作に入ろうとしなかった積水ハウスのやり方を少し見習ったらどうかと思います。

【教訓】

  • 全ての要素を総括監理縦覧できる責任者がいない現場は必ず失敗する。
  • 自分の仕事領域を勝手に決めて他に関わろうとしない担当者の集合体にろくな仕事はできない。

家作りで言ったら、基本的に各部の仕事は職域の違う職人さんたちが担当されるわけですから、その監理がきちんとできていないと、確実に失敗するのでしょう。

今回は今回で、良い勉強になりました。

そして、自分の家を建てた積水ハウスさんの監理のレベルの高さに、改めて納得しました。

あれだけの大企業の中で、一人の担当者さんが、1年近く間、きちんと計画に付き合う体制がとられていること、そのことだけでも、少々のエクストラコストを払う価値があると思います。

業界大手になり得るには、それなりの理由があるという現実を感じます。

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雑記帳」カテゴリの記事

コメント

まったく同感ですね。
わたしは、ottoさんと同様の怒りを自宅建築で味わいました。
そのHMの現場監督も、全く同じことを言いました。仮にも"部長"という肩書きをもつその方は
「そういえば、そんなことも仰ってましたね。詳細を指示していただいてないので、手配しておりません。」
終いには「ご自分で手配してください。」
と来たもんですよ。

何回聞きましたかね。こんな内容の言葉。
救いようが無いです。

お仕事でとなると、自宅の建築とは違ったストレスがあることと思います。お体に気をつけて頑張ってください。

ありがとうございます。
仕事だと、自分に確たる使命があるので先方さんにはガンガン言えるところが、まだ良いですね。今回のエンジニアリング屋さんはもう20年近く付き合いのある会社さんなので、こちらも遠慮しません。
ただ、これが自宅だったら途方に暮れると思います。
会社と会社の仕事の場合は、こちらがガンガン言っても、ほとんどの相手はサラッと処理して後に残らないのですが、個人と会社の仕事になると、どうもウェットな部分が出てきてしまって・・・。不思議です。
なんだかよく分からないコメントですが、そんな感じです。

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