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2007年1月30日 (火)

またまた

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またまた耐震強度不足の疑いのある物件が出てきましたね。

私は機械屋なので建築の世界の強度計算は経験がないのですが、基準に対する強度が0.7台というのは、さすがに計算誤差とか条件設定の誤差の範囲には含まれないような気がします。

それで、思ったのが「建物の場合、設計の安全率が低すぎるのではないかなあ」ということです。

ここで言うのは、実際に地震が来たときに壊れるかどうかということに対する安全率ではなく、法律違反になるかどうかという意味での安全率です。

構造計算にだってミスと誤差はあり得るのですから、あれだけ複雑な構造のものを設計するのに、法律の基準に2割くらいは余裕を持たせておかないと、構造計算のモデル化での解釈の違い等で「グレー判定」になってしまうものが出てきてしまう可能性があるのではないかと思います。

最近は再検証される可能性が多々ありますよね。そのときに、自分の設計が「グレー判定」になってしまったら、ちょっと取り返しがつきません。特に販売前にユーザーから見たらそれはもう「クロ」と同じことです。資料を開示できないもの同じかな。グレーと言われてしまうこと自体、余裕がないギリギリの設計であるであることを示しているわけですから。そうなると、構造以外のところも怪しいって思われてしまいますよね。

上の写真は、機械の簡単な架台の構造計算書です。本当に簡単な構造の四足の架台なのですが、計算書はA4で約1cmの厚さです。構造計算の詳細は分かりませんが、大規模なマンション等だったら、更に何倍もの厚さになるのでしょう。大部分は電算ソフトによる出力ですが、まずは人間が建物の概要を条件として入力するわけです。この中のどこにもミスがないというは・・・けっこう大変なことだと思います。

また、

「基準は下回るが安全性に問題はない」

技術屋さんがよく言うこれも分かるんですよ。気持ちとしては。計算に使う材料の強度にも安全率が見てあって、その他各所にも安全率が見込んであるから、実際の強度は十分だ、という理屈ですよね。

でも、あくまで法律は法律です。商売は約束を守ってやらないといけませんよね。

そんなわけで、いろいろな制約があるのは分かりますが、私だったら、「法律の定める基準に対する安全率」=「違法行為にならないような安全率」を1.2くらいはとりたくなります。一方、「そこを攻め込むところが腕の見せどころ」というのが技術屋の気持ちなんですが。

ちなみに私が仕事で扱う高圧ガス設備では、数社競合させても、強度を低下させてコストダウンを考えるようなメーカーは見たことがありません。そもそも安全率を見込んだ法定の強度(常用の1.5倍を見込む)に『さらに倍』的な設計になっています。もちろん会社の設備ですから経済性は十分に考慮されているわけですが、それでもそういう設計をします。

これは、事故を起こすことを非常に恐れているからだと思います。高圧ガス設備の場合、生産で毎日使いますし、爆発すれば周辺を含めて大変な事故になりますから。

建物だって、役所の許可物件であって何かあったときに大きな被害が出るという意味では高圧ガス設備と変わらないわけです。

作り手の側から言えば、そのときに、法律の基準さえ守れていれば、それなりに自己保身はできると思います。高圧ガス設備の場合は、どうやっても持ち主がその事故の責任を逃れることはないでしょうけれど、建物の場合、地震は天災なんですから、

「あれは想定外の地震でした。法律は守っていました。」

と言えば、作り手は一切責任を問われることがないでしょう。

なのに、なぜああいうことをするのでしょうか。若干の余裕を持って法律を守ってさえいれば自分は常に安泰、言うまでもなく、ユーザーも幸せなのに。

故意に偽装するというのは問題外ですが、法定強度への安全率、もう少しとっても良いと思いました。

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