暖房熱量(2)
前の記事で室温を一定に保つために必要となる暖房機の時間当たりの熱量(W数・仕事率)を求め、ヒートポンプ式のエアコンでこの熱量を賄う場合について、その電気料金を計算してみました。オール電化や深夜電力等、特別の契約をしない状態で1ヶ月あたり¥47,247と、自分の感覚としても納得の行く範囲の計算結果が出たように思います。
さて、次は、畜熱暖房機を使う場合です。
(3)畜熱暖房の電気代
畜熱暖房の場合、電気料金という面から見れば、単価の安い夜間電力で作った熱を畜熱体にため込んで、その安価に作った熱を他の時間に使えるというところが特徴なんですよね。
その畜熱暖房機、熱源としてはいわゆる電気ヒーターを使うようなので、電気料金の計算は簡単です。畜熱しようともしまいとも、建物から逃げてゆく熱量を常に室内に供給しなければならないことに変わりはなく、ヒートポンプ式のエアコンのようなお得係数(COP)はありませんので、単純に「消費電力量=必要な熱量」となるはずです。
深夜電力の割引は後で考えることにして、とりあえずエアコンと同じく、
- 断熱仕様 : 次世代省エネ基準 (Ⅳ地域 2.7W/m2・K)
- 床面積 : 100m2+100m2の2階建て室内高さ合計5.5m
- 外気温度 : 4℃ (2月の東京の平均気温・24時間の熱量を考えるので平均気温で計算)
- 室内温度 : 18℃
の条件で、単純に電力単価¥20/kWhで計算すると、月あたり2,362kWhの消費で¥236,235と出ました。単純計算ではヒートポンプ式エアコンのCOP倍になってしまうわけです。
ただ、畜熱暖房の場合は夜間電力で溜めた熱をその他の時間帯に使うことが大前提ですから、夜間電力Bの8時間通電制御タイプの割引き(約75%OFF)を入れると、¥60,240と出ました。東京電力のホームページでできる試算だと基本料金等が入るためかもう少し金額が上がりますが、大きくは外れていないようです。(実は電力量がシミュレーションの上限を超えました)
電気料金としては、エアコンのCOPと、電力会社の夜間電力割引(75%引き=COP4.0相当(笑))の勝負というところでしょうか。夜間電力やオール電化の契約だと昼間の電気代は割り増しですが、エアコンはどうしても昼間の暖房に昼間料金の電気を使わざるを得ませんからね。逆に、畜熱暖房機の畜熱が尽きて、昼間にヒーターが再加熱を始めるようだと悲惨な状況になるかも知れません。(笑)
ただ、今回はあくまで室温を一定としての検討です。室温自体が同じであったとしても、空気による対流熱伝達に100%頼るエアコンと、近付けば輻射熱伝達が期待できる(?)畜熱暖房機その他では、人の暖かさの感じ方が違ってくると思います。暖房の目的として、人に快適な室内環境さえ作れれば良いのですから、もしかしたら、同じ快適性を得るために必要な温度が違ってくるかも知れません。仮に畜熱暖房機ではもっと低い室温で快適だとしたら、電気料金はもっと安くなりますね。
ちなみにこの快適性には室内の湿度というものも大きな影響を与えると思いますが、室内で何かを燃やすタイプ以外の暖房が室内の相対湿度に与える影響(室温上昇→相対湿度低下)は全て同じですから、ヒートポンプ式エアコンと畜熱暖房の間にも差はないはずです。
長くなってしまったので、今日はこのへんで。
次は畜熱体の大きさの計算です。夜間電力をため込むにはどのくらいの畜熱体が必要になるのでしょうか。計算が楽しみです。
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