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2006年9月20日 (水)

構造材と火災

今回、自分の家の火災保険を検討するにあたって色々なサイトを見て回りました。保険の仕組みのことを解説したサイト、保険会社による違いを解説したサイトなどなど。

そんな中で「構造材の種類と火災に対する強さの関係」について書かれたサイト・書き込みもたくさんありました。

どこを見ても「RCは別格の強さを持つ」というところでは一致しているのですが、「木造と鉄骨、どっちが火災に強い?」というと、けっこう色々な意見があるようですね。

書き込みの中でよくあるものは、

「木造は火が回っても最後まで構造材が折れないから倒壊しない」

「木材は表面が炭化して断熱作用をするからすぐには燃え尽きない」

「鉄骨は高温に弱いからすぐに構造材が飴のように曲がって倒壊してしまう」

という話です。

そしてこのような書き込みでは結果的に、「だから木造のほうが良い」という主張になっているものが多いようです。

また、それに対するコメントが、

「意外でした。私も、もう一度考え直してみます。」

なんてなっていたりします。

材料単体で考えれば温度と材料強度との関係は確かにそうなのですが、目的は「家にいる人の安全」を確保するということですよね。果たしてそういう論法で良いのでしょうか??

 

私が思うに火災という現象が起きたときに人の安全に関係する家の性能は、

1.容易に燃えないこと

2.燃えても建物から逃げられるかどうか

だと思います。

「容易に燃えないこと」というのは別の話なので今は脇に置いておいて、高温での構造材の強度云々というのは、まず建て物の中にいる人が「逃げられるかどうか」に関わってくるわけですよね。家が倒壊してしまったら逃げられませんから。

幾つかの資料を見ると、確かに木材は火災による高い温度にさらされても強度の低下が少ないそうです。家を木材で作ることによって倒壊を防げるのであれば、それは大きなメリットです。

一方、一般的な構造用鋼であるSS400は250℃くらいから大きく強度が低下してくるようです。建物は地震の大きな力に耐えられるように作られていますから、その温度になったからと言って建物の自重だけ直ちに倒壊してしまうのはわけではないでしょうけれど、500℃くらい(赤熱状態)になれば倒壊する可能性が高くなりそうです。

だから「木造のほうが火災のときに安全だ」と言えそうですが・・・、ちょっと待ってください。

そもそもこの話をしているときって、

「木の構造材と鉄骨との強度差が明らかになるほどの状態まで家の中に人が居られるのか?」

ということを忘れてはいませんか?

高温に弱いと言われている鉄骨でさえ250℃くらいまでは強度を保つわけです。普通は鉄骨の外側に内装や外装があるわけで、室内の温度が更に高くなってようやく構造材の温度がそのくらいに達するわけです。

煙に巻かれてそんな雰囲気の中に居たら家の倒壊の前にどうかなってしまいますよね?

で、家から脱出してしまえば、極端な話、家は倒壊してしまっても人は安全なわけです。

なので、人の安全に木造・鉄骨の種類は関係ない・・・というのは間違いでしょうか。

 

その次の段階での差についても考えなくてはいけません。

3.火災の後に建物を再生できるかどうか

です。

これについても同じように考えてみると、

「木の構造材と鉄骨との強度差が明らかになるほどの状態まで燃えたらもうその家は直せないのではないか?」

ということになります。

言い換えると、「倒壊しなかったからと言って、黒焦げになった木の骨組みや曲がった鉄骨からまた家を作り直すんでしょうか」ということです。

と、ここまで考えると結論は何となく自明のような気がします。

「火災になったら構造材は木造でも鉄骨でも一緒でしょ。」

ということで。(^^;)

 

人の安全を考えるなら、構造材の種類よりも内外装材の種類(難燃・不燃)を選んだほうがなんとなく有効ではないかと・・・思います。

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コメント

こんばんはー。
住宅火災の件は難しいですよね。わたしも軽量鉄骨と木造の狭間で揺れ動いた時期がありましたので、なんとなく気にはなっていました。
今までに考えたことを書かせていただきます。

1.仮に『木造軸組住宅が火災に強い』とした場合、その家の柱や梁は『芯持ち材』であることを前提としているのではないかと思います。個人的な感覚ですが『芯去り材』が火災に強いとは思えません。

2.今時の木造はコンパネや筋交などでの補強に頼るため、通し柱といえども、大した太さではありません。細い木材が火災に耐えるでしょうか?

3.今時の木造軸組住宅の多くは外材も使っていますから、年輪は詰まっていないでしょう。年輪の詰まっていない柱が炎に強いでしょうか?

4.建物の強度を増すために梁に『集成材』を使っている場合も多いようです。『集成材』が火災の熱に強いとは到底考えられません。木の部分は『外材』の『芯去り材』ですし、接着剤が熱に耐えられないと思います。

ということで、今時の木造軸組住宅が火災に強いとは言い切れないんじゃないでしょうか。「木造が火災に強い」というのは、あくまで『古来の木造』なんじゃないですかね。目の詰まった檜の芯持ち材で、6寸角で、土壁で・・・。

5.火災というと、自分の家からばかりではありません。延焼の可能性もあります。この場合は軽量鉄骨が優勢と思います。軽量鉄骨系メーカーが使う外壁材の断熱性能の関係で。
しかし、延焼を防ぐキモは『サッシの材質だ』という考えもあるようです。

ここまで来ると、なんでshaloは鉄骨にしなかったのか?って話になるんですけど

6.住宅で火災が発生した場合、通常、室内の温度は火災発生5~10分程度で500℃に達するそうです。さらにフラッシュオーバーが起こると、室内温度は1000℃にまで達するそうです。こうなってしまうと、鉄骨には不安が残ります。

こんな話もあります。
7.『万が一火災になったときに消防隊員が救出に入ってくれるかどうか』
アメリカの消防士は火災現場に至った際「スチールorウッド?」と必ず尋ねるんだそうです。(また曖昧な情報ですいません。不安を煽るつもりはないんです。)理由はお気づきのことと思います。まだ家の中に家人が取り残されている状況を考えると、命の有無に関わらず飛び込んでいって欲しいというのが家族の気持ちですが、そうできない場合があるようです。日本も同じかどうかは?です。
しかし、仮にこの話が事実だったとして、疑問がひとつ残ります。『アメリカの木造住宅って2×4じゃないの?2×4って火災に強いのか?』ってことです。
「木造住宅は火災に強い」と主張する方の想定としては「柱が燃え尽きることはない。」ということですから、柱と呼べる物が存在しない2×4が火災に強いとは考えにくいんですよ。そうなると、この話は単なる噂かなーとも思います。

ottoさんの言われる内装材の素材の話も重要ですよね。石膏ボードの耐火性は非常に高いので、これだけで安心じゃないかって気もします。

しかししかし『家財が燃えて有毒ガスが出たらどうする?』という問題もあります。

なんだか、取り止めがなくなってしまいました。すいません。こんなような状況で、実際のところ答えが出ないままに、外張断熱に惹かれて木造にたどり着いたんです。

投稿: shalo | 2006年9月21日 (木) 02時42分

ものすごく長いコメント、ありがとうございます。この書き込みにくい小さなテキストエリアで恐縮です。(笑)

全部にはとてもコメントしきれない感じですが・・・、私なりに考えて思ったことを少々書いてみます。

ご理解いただけていることとおもいますが、べつに鉄骨と木造どちらがあ良いとか悪いとかいう意味ではなく、単なるネタですので、あまりまじめに考えないでください。

(1)木造と鉄鋼構造の差
ある意味で、火災に対する強さをかなりまじめに計算しているのは、リスク計算のプロである保険会社だと思います。その保険会社が設定している保険料というのは、ある程度、その構造の火災による損傷リスクを反映しているはずだと思います。で、その保険料ですが、各種木造と軽量鉄骨とでは、骨組みの材質だけの差はないようです。差が出るのはどうやら内装若しくは外装の耐火性能によるようです。そんなわけで、結局、火災に対する強さというのは骨組みを守る仕組みに大きく左右されるのでは・・・と思います。例えば火災に対する強さが求められる「危険物屋内貯蔵所」は、その構造に「不燃性」(RCor鉄骨)と「柱の温度上昇を防止する措置」が求められていたと思います。

(2)フラッシュオーバー
確かに、火災発生後数分で室内の温度が1,000度に達するというのは理解できます。ただ、家を支える骨組みの温度上昇についてはどうでしょうか。木造であっても鉄骨造であっても、骨組みの温度はほぼ、内外装の熱伝導(伝達)率に依存するように思います。「タイガーボードは火に強い~」というCM(お分かりになります?)のとおり、厚い石膏ボードに囲まれた骨組みの温度がそれほど急に上がるとは思えなかったりします。
あと、骨組みが高温にさらされる状態になってしまったら人も建物もタダではいられないのでRC以外は同じかとも・・・思います。(泣)

(3)「スチールorウッド?」
あくまで可能性としてですが、これは高温で木材から出た可燃性ガスが室内に充満してフラッシュオーバーが生じる可能性があるかどうか、で突入時期を考えるという意味かもしれないと思いました。海外サイトを色々検索してみたのですがちょっと情報を見つけられなかったのでなんとも言えませんが。

(4)内装壁紙
たしか、全ての壁紙を不燃、若しくは準不燃で選んだと思います。キッチンは確実に不燃にしたと思います。というか、見せられたカタログにそれしかなかったんだと思います。

まあ理屈はどうあれ、とにかく火事が起きないことを期待したいと思います。(祈)

投稿: otto | 2006年9月22日 (金) 22時27分

そうそう。結局のところ、住宅レベルでは鉄骨も木造も大差ないと思うんですよ。内装材はどちらも「炎も熱もシャットアウト~!」ですしね(笑)。

投稿: shalo | 2006年9月23日 (土) 00時58分

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