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2006年9月12日 (火)

エアコンのこと(1)

みなさんはエアコンってどうやって選びましたか?正直言って私は油断していました。

私たちの家ではLDKに付く2台のエアコン(12畳用×2)だけは三菱の製品を積水ハウスで手配しています。打ち合わせのかなり初期の段階で決めたことで、大手メーカーのものなら基本性能はみんな同じでしょ、なんて思っていたのです。

ところが、そろそろ他の部屋に付けるエアコンも選ばなければと思ってカタログをながめ始めたところ、気付いてしまったんです。積水さんが見積もりに入れてあるエアコンは省エネ性能が低い!いわゆる省エネ達成率が100%どまりの機種です。

一番稼働率も負荷率も高そうなLDKという場所のエアコンがこれではいかんということで、機種の変更を考え始めました。

すると、ですね、問題が出てきてしまったんです。隠蔽配管がらみのことですから、これから隠蔽配管を計画される方はぜひ御注意ください。

1.隠蔽配管にすると省エネにならない

これ、冷媒の配管が伸びるから機械の効率が悪くなる、という意味ではありません。メーカーの機種設定の問題なんです。つまり省エネ性能を求めると、

a.「省エネ性能が欲しい」→「省エネ性能が高いのは高価な機種」→「高価な機種なのでてんこ盛りの付加機能が付いている」→「付加機能の一つとして換気機能付き」

という方向性がありまして、一方、隠蔽配管には

b.「隠蔽配管」→「内外壁を貫通する穴がないので換気機能は使えない」

という事情があるのです。ということでa.,b.を合わせると結果的に、

「隠蔽配管」→「省エネ性能の高いエアコンは使えない」

となってしまいます。

電機メーカーが省エネ性能に優れたベーシックな機種を設定してさえいればこういうことは起こらないのですが、省エネ性能を餌にユーザーをできるだけ高価な機種にシフトさせようとする商品設定なのでしょうか。どうにもなりません。

積水ハウスの家の場合、家自体に24時間換気が付いているのでエアコンの換気機能など本来なら要らないのに。

ただ、私としてはとにかく省エネタイプに変更したかったので、止むを得ず、外壁に換気機能用の穴を追加加工することにしました。営業Kさんに見積もりを依頼したところ、1穴10,000円だそうです。高いなあ・・・。

要らない換気機能を省エネ性能との抱き合わせで買わされた上に壁の穴加工が必要になって外部にはダクトが付いてしまう、おまけにそういう機種にはその他のゴチャゴチャ機能もたくさん付いていたりして値段が高いとは、メーカーの商品設定に非常に不満が残ります。

省エネ性能に優れたベーシック機をぜひ作って欲しいところです。

2.隠蔽配管にするとお掃除機能が使えない

これは完全に私の研究不足でした。

流行の「お掃除機能」付きのエアコンが換気用の穴からゴミを外に捨てるということを知らなかったんです。

勤務先に来ている電気屋さんと話していて、

「最近『お掃除機能付き』のエアコンが流行ですよね。」

「そうなんですよ。」

「ところであれ、ゴミはどうやって処理するんですか?」

「ああ、排気口から捨てるんですよ。」

「え゛、じゃあ隠蔽配管じゃ使えないじゃないですか!」

「(!)。・・・そうですね。」

とかなんとか。

みなさま、ご注意ください。外壁に接していない間仕切りにエアコンを取り付けようとする場合も隠蔽配管同様です。

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コメント

ありゃ。ottoさんともあろう方が!
実はうちも同じ悩みを抱えています。なんとリビングにエアコンを付ける位置が無い!!!
家の目立つ部分の外壁に配管を這わせることを妥協できるかどうかという問題なんです。
隠蔽配管は問題多いですよ。他にも酸素供給機能、加湿機能などなど付加機能のあるタイプは要注意です。せっかく配管を隠蔽しても、将来エアコンを付け替える際に配管を再利用することはほぼ不可能だそうです。配管をモロ見えにするか、付加機能の全く無いエアコンにするかの二者択一になりそうです。

otto様、はじめまして
社宅住まいながらいつの日か持ち家を持つことを夢見ているものです。
さて、エアコンの件ですが私の家で今年の2月に設置したサンヨーの換気機能付きエアコンは換気機能を殺すモードがありました。(換気用の配管を撤去して設置可能)
お掃除機能付きのエアコンは分かりませんが、省エネ型の多機能エアコンであっても取り付け時の設定で在来型としての使用ができるのではないでしょうか?
無駄な穴あけはもったいないですから検討されているエアコンメーカーにダメ元でお問い合わせをされることをお勧めします。

ではまた、

shaloさんこんにちは。
配管の肉厚とか口径とか、そういう基本的なところは確認したつもりだったのですが、新しい機能のチェックを忘れていました。(泣)
私も配管が目立つのはイヤだと思って隠蔽配管にしたところ、この状況です。shaloさんはうまく処理できると良いですね。
配管の再利用については、潤滑油が変わった時が要注意でしょうか。今後も圧力はそれほど変わらないと思うのですが・・・。
現在、一生懸命調査中です。(汗)

tamaさん、はじめまして。良い情報をありがとうございます。確かにその機能をOFFにすることができれば、とりあえずは問題ありませんね。さっそく確認してみます。
各メーカーに個別に電話しているとものすごい時間がかかるので(経験アリ)、まずは一般の電気店で総合的にきいてみようかと。あ、サンヨーはホームページですぐに見てみます。何か分かったらまた記事に書き込みますね。
tamaさんは持ち家検討中ですか。せっかくですから私の日記を「こういう失敗はしないように」という意味でご参考いただければ幸いです。(笑)
今後ともよろしくお願いいたします。

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  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

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    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
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  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

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    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

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