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2006年9月 1日 (金)

木工事(6)

Img_0956私たちの家はリビングとダイニングを床暖房にします。

床暖房にもいくつかの形式がありますが、私たちは温度の立ち上がりと制御性の良さ、そしてメンテナンスの容易さを重視して電気ヒーター式のものを選びました。

製品銘柄には特に拘らなかったので、積水ハウスさんお勧めのものにしました。松下電工ホームエンジニアリング扱いのエコハックス(エコテック製)です。

この製品は温度に応じて電流を自己制御するという独自のヒーターを使っていて、ランニングコストが抑えられるそうです。

ただ、原理的には所詮、ただの電気抵抗ヒーターです。メーカーの資料には遠赤外線効果云々という記述がありますが、いかに輻射熱伝達を効率的に使っていたとしても、エネルギー効率という点ではジュール熱の理論式以上に期待できるものではないでしょう。遅い時間についてはオール電化の割引でどうにか、というところでしょうか。

しかし家作りとは関係ありませんが「遠赤外線効果」という言葉もそろそろ使い方を考えないと、製品に対する信頼感を損ないかねないと思います。遠赤外線が物体の深部まで透過して加熱するなどというのは、はっきり言って、ウソです。あまりにも各所で喧伝されているためにそんなことを言うとこちらがバカ扱いされそうですけどね。(笑)

もしも本当にそれをやるなら、電子レンジのマイクロ波のレベルまで波長を長くしなければならないでしょう。(簡単には遠赤外線協会のこの資料を見てください)

そんなわけで、本当に効率を上げるならCOPの大きいヒートポンプ式の加熱機で熱媒を暖め、限りなく薄い床材の下から銅管でその熱を伝えることでしょうか。ただし、空気の流速が小さくては効率が上がりませんから、床付近には何らかの方法で適切な空気流を確保する必要があります。

話は戻って私たちの家の床暖房ですが、その施工は比較的簡単です。電熱パネルを所定の間隔をあけて床下地に木ネジで留めるだけです。ただ、例の断熱材の件もあり、インターネットで仕入れた取り付け仕様書の一部を監督のIさんに予め送っておきました。「この仕様書のとおりに施工してください!」と書き添えてです。

というのも、正直言って現場の作業者というは、悪意はなくても詳細の確認をしないで自分の思い込みで作業してしまう部分がなきにしもあらずなわけです。軟らかい床暖パネルを釘打ち機の釘で打ち抜かれてはたまりませんし、電熱線の部分をネジで貫通されても困ります。おまけにその施工状況はフローリングを張った後では分かりません。それで「僭越ながら」とは思いながら、やはりそうせずには居られなかったのです。

自分がFA機器の開発をやっている関係で、「仕様どおり」ではない時に生じる「予期せぬ不具合」というものの恐さが身に滲みているのです。

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  • 徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)

    徳永幾男: セイコーダイバーズウオッチ進化論 (ワールドムック 1078)
    セイコー社が普通に出しているであろう資料を継ぎ接ぎしただけの本。内容に伝説を求めてもパッキンについてもダイバーからの手紙についても同じことを繰り返し書くばかりで何の面白味もない。いかにネタが無いのかを自分で白状している感じ。 技術的な意味での興味からも全く期待はずれ。PTFEの方がガス(He)透過率が低いというデータを載せながら、何故PTFEではない材料を採用したのかの説明もない。(所要最小面圧が理由だろうが) そして、面白くない一番の理由は他社や他社製品との具体的、定量的な比較がないこと。他製品に対する優位性があってこその「進化」だろうに。件のダイバーの手紙に「どれもこれもダメ」と書いてあったという問題提起の話だけで、実際のHe飽和潜水でセイコー製がその問題を解決したのかどうかの裏付けがない。 著者は実績ある時計専門の機械屋さんのようだから出版に当たって名前だけ使われたのだろうと思わずに居られない。 最近で最も損したと思った本に認定。 (★)

  • ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)

    ウイダー: ウイダー・トレーニング・バイブル (ウイダー・トータル・フィットネス・シリーズ)
    10年くらい前に買った本書を再読。紹介されているトレーニング種目は多く、運動競技別のメニューも紹介されている。また、反復可能回数を基準にした重量設定の方法も簡単に紹介されているが、「漸進性の原理」にはほんの一言二言触れているだけで、トレーニングが進んだとき、どのようにウェイトの重量を増やせば良いのかについては殆ど記載がない。唯一、「導入段階のトレーニングプログラム例」の中に「最終セットで15回出来るようになったら2.5kg増す」というような記載があるのみ。確かに重量設定の方法を逆読みすれば目的とする効果が得られる反復回数となるように重量を増やして行くべきということは分からなくもないが一般には分かりにくいだろう。明らかに初心者向けの書籍なのに、その点に関するガイドが不足していることに疑問を感じる。厳密に言うと用い方が違うとしても、8×3法なり5×5法なりのような、分かりやすいウェイト重量調整の判断基準が欲しい。ウェイトを増やして行くこと自体が目的にかなり近いことであって、他のことはその手段なのだから、ウェイトの増やし方には章をひとつ割いても良いくらいだと思うので。 (★★)

  • クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック

    クリス アセート: 究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック
    内容は運動強度と栄養摂取に関する原則に特化しており、個別の運動についての詳細は含まれていないので注意。挿絵以外に図表は含まれない。 (★★)

  • マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

    マイケル ルイス: フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    読書中

  • バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

    バートン・マルキール: ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
    主張には一貫性があり差し替えられた最新のデータに対しても矛盾がない。最高のリターンを得るためにベストな方法ではなく、普通の人が十分な(とは言えかなり良い)リターンを得られる可能性が高い方法を明確に示している点で個人投資家にとって最良の書ではないだろうか。株式、債券の範囲で投資を始めるなら、まずは歴史に裏打ちされたこの本を読んでからにすべき。投資窓口で投資商品を販売する方々も、この本を読んでから個人投資家に接すれば無駄な問答が無くなるように思う。まあ、そんなことをしたら彼らが自己矛盾に苦しむことになるが。 (★★★★★)

  • フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名

    フレデリック ドラヴィエ: 目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名
    主な筋肉については起始と停止位置がその筋肉単独の状態で図解されているが、せっかくなら運動状態の図についても、その運動が主題にする筋肉だけを単独で図示してほしかった。その方が、その筋肉がどのような方向に力を発揮するのか、どのような方向に動作すれば筋肉に効率よく刺激を与えられるのかが分かりやすくなるように思う。筋肉の起始と停止位置が分からない図であれば、なにも表皮を剥いで筋肉を露出させた状態で運動の様子を描く必要がないのでは。 (★)

  • 荒川 裕志: プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

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    筋肉が骨格と共に各々単独で図解されており筋肉の骨格への付着(起始,停止)位置が分かりやすい。図を見ればどのような動作が筋肉に刺激を与えるのかが想像できる。同シリーズのトレーニング編にも興味が湧いた。 (★★★★)

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