木工事(6)
床暖房にもいくつかの形式がありますが、私たちは温度の立ち上がりと制御性の良さ、そしてメンテナンスの容易さを重視して電気ヒーター式のものを選びました。
製品銘柄には特に拘らなかったので、積水ハウスさんお勧めのものにしました。松下電工ホームエンジニアリング扱いのエコハックス(エコテック製)です。
この製品は温度に応じて電流を自己制御するという独自のヒーターを使っていて、ランニングコストが抑えられるそうです。
ただ、原理的には所詮、ただの電気抵抗ヒーターです。メーカーの資料には遠赤外線効果云々という記述がありますが、いかに輻射熱伝達を効率的に使っていたとしても、エネルギー効率という点ではジュール熱の理論式以上に期待できるものではないでしょう。遅い時間についてはオール電化の割引でどうにか、というところでしょうか。
しかし家作りとは関係ありませんが「遠赤外線効果」という言葉もそろそろ使い方を考えないと、製品に対する信頼感を損ないかねないと思います。遠赤外線が物体の深部まで透過して加熱するなどというのは、はっきり言って、ウソです。あまりにも各所で喧伝されているためにそんなことを言うとこちらがバカ扱いされそうですけどね。(笑)
もしも本当にそれをやるなら、電子レンジのマイクロ波のレベルまで波長を長くしなければならないでしょう。(簡単には遠赤外線協会のこの資料を見てください)
そんなわけで、本当に効率を上げるならCOPの大きいヒートポンプ式の加熱機で熱媒を暖め、限りなく薄い床材の下から銅管でその熱を伝えることでしょうか。ただし、空気の流速が小さくては効率が上がりませんから、床付近には何らかの方法で適切な空気流を確保する必要があります。
話は戻って私たちの家の床暖房ですが、その施工は比較的簡単です。電熱パネルを所定の間隔をあけて床下地に木ネジで留めるだけです。ただ、例の断熱材の件もあり、インターネットで仕入れた取り付け仕様書の一部を監督のIさんに予め送っておきました。「この仕様書のとおりに施工してください!」と書き添えてです。
というのも、正直言って現場の作業者というは、悪意はなくても詳細の確認をしないで自分の思い込みで作業してしまう部分がなきにしもあらずなわけです。軟らかい床暖パネルを釘打ち機の釘で打ち抜かれてはたまりませんし、電熱線の部分をネジで貫通されても困ります。おまけにその施工状況はフローリングを張った後では分かりません。それで「僭越ながら」とは思いながら、やはりそうせずには居られなかったのです。
自分がFA機器の開発をやっている関係で、「仕様どおり」ではない時に生じる「予期せぬ不具合」というものの恐さが身に滲みているのです。
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