ポケットナイフのこと
父親がナイフ好きだったからか、私の手元にも色々なポケットナイフがたまってきました。今日も父の日のプレゼントを買うついでに小さなナイフを3本ほど購入。中央付近にある小さいのがそれらで、アメリカの伝統あるナイフメーカーであるGERBER社のポケットナイフと、おなじみのスイスアーミーナイフ(Victorinox社製)です。
しかし店に行って驚くのは、こういうスポーツナイフと呼ばれるものの最近の値段です。私が高校のころスイスアーミーナイフの一番大きい「チャンプ」なんか15,000円くらいしたと思いますが、今は9,000円くらいで手に入りますし、Buck社の「#110フォールディングハンター」も13,000円くらいだったのが今は6,000円です。
その他、名だたる有名メーカーの製品が昔の半額で手に入ります。為替レートだけの問題とも思えないのですが、とにかく安くなっています。「大人買い」ではないのですが、「憧れのナイフ」をついつい買ってしまうのも止むを得ないでしょう。(笑)
一方、ある種の粗製乱売を感じないわけにも行きません。スタンダードなラインにはそういうことはないと思いますが、新しく出てきた製品たちには、旧来のそのメーカーの製品にあるべき質を保っていないものも見受けられます。上の写真にある青いハンドルのものなどがその良い例です。私の買った個体では、ナイフの基本である刃付けが全くできていませんでした。
どんな刃物でも、普通の鋼材に普通の焼入れを行い、当たり前のレベルの刃付けができていれば産毛が剃れるくらいの切れ味は持っていて当然なのですが、このナイフでは全くダメでした。自分で研ぎなおしたらきっちり剃れましたから、完全に刃の仕上げの問題です。(刃先角度の問題ではなく)
いくらMade in TAIWAN とは言え、これでは「GERBER Legendary Blades」の名が泣きます。商品構成を拡充するためにコンパクトタイプを安価に急造したのでしょうけれど、基本をおろそかにしては本末転倒だと思います。
一方、スイスアーミーナイフの2社VictorinoxとWENGER(合併したようですが)は、やっぱり立派です。出張先のアメリカで買ってもドイツで買っても、はたまた日本の安売り店で買っても昔から品質は常に一定です。もちろん、買ったままで産毛が剃れます。
今でこそLEATHERMANなどのマルチツールポケットナイフが出てきましたが、やはり「ポケットの道具箱」としていつも持ち歩いて使えるのは、いわゆるスイスアーミーナイフだけだと思います。
写真の上のほうに写っている赤ハンドルの2本は、ずっと使い続けてガタが来たもので、一本は大刃がガタつき、一本はツールの一つをこじって飛ばしてしまいました。いつも使える道具であったからこそ、そこまで使えたのだと思います。飛行機に乗るときにもポケットの中に入れっぱなしになっていたのには自分でも驚きましたが。
そんなわけで、明日からポケットに持ち歩くのは銀色のアルミハンドルの付いたスイスアーミーになりそうです。しっかり頼みます。
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