ブレーキ性能の測りかた
どこかで読んだことがあるのですが、「人間は前後方向の加速度については自分が期待した以上のものを快感と感じ、横方向の加速度は思ったとおりのものを快感と感じる」のだそうです。
確かに、通常の進行方向への加速度は自動車の評価の中でも大きく取り上げられて、「0-100km/hに5.2秒しか要さない」「シートバックに背中が押し付けられる」「ジェット機が離陸するときの加速」などと、その快感度合い(?)が様々に表現されています。
一方、ブレーキ性能も快感の対象となるので、「何か目に見えない巨大な力が後ろから車体を引っ張るような減速G」などと表現されるようです。
そして、「ドイツ車はアウトバーンを超高速で走るために強力なブレーキを与えられ」「やはり国産車のブレーキはプア」ということになっています。
では、実際に車の減速Gを測ってみましょうか。(笑)
手順は下のとおりです。今回は普通の運転の中で一番重要な、衝突防止のパニックブレーキでの1回限りの制動だけに話を絞り、コントロール性という話は抜きにします。用意するものは、ストップウォッチだけです。(デジカメの動画ででメーターを撮影しても可)
① まず、完全停止まできちんとABSをきかせられるように練習します。絶対的な制動力を計りたいので、ABSがきかないような踏みかたではダメです。(慣れないとけっこう難しいようです)
② 適当な場所で100km/h(+α)まで加速し、アクセルを離してブレーキの準備をします。
③ スピードメーター(※)の表示が100km/hに下がっていたところでガツンとブレーキを踏み、同時にストップウォッチの計測をスタートします。(本当はフルブレーキを始めてから100km/hになったところでスタートしたいのですが動きが速すぎて無理でしょう)
④ ABSがガリガリゴリゴリ言いながら車が減速します。人間はブレーキを踏んでいるだkです。
⑤ ガックンと完全停止したところでストップウォッチの計測をストップします。
⑥ 次は簡単な計算です。測定された時間をTとして、Gを求めてください。
G=(27.78÷T)÷9.81
27.78 : 100km/hの秒速(m/sec)
9.81 : 重力加速度(m/2)
この計算で求められた数字がそのときの減速Gです。
さあ、貴方の車は期待するだけの減速Gを発揮しましたか?
2.83秒以下で停止できれば貴方の車の減速Gは1.0Gを超えています。かなりの性能です。通常は3秒以上かかり、3.1~3.2秒くらいかかる0.90G前後の制動力が普通のレベルでしょう。
私の記憶が正しければ、CG誌のテスト記事にあったUCF21型セルシオの減速Gは、確か1.1Gでした。ポルシェのどの車種であろうとフェラーリのどの車種であろうと、CG誌のフルテストでこれを超える減速Gを記録した車は他になかったように思います。
(※) 高速道路のキロメーターポストでスピードメーターの較正を行うことができます。スピードメーターの表示を100km/hに保ったままキロメーターポストで1kmを走る時間を計り、それが36秒であればスピードメーターは正確です。
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