基礎切り欠き・深基礎のこと
以前の記事で書いた「基礎の切り欠き」とガレージ入り口部分の深基礎について、ちょっと補足して書き込んでおきます。
そもそも基礎の切り欠きというのは、壁と基礎の厚みが違うために必要になるもので、室内側の壁面が基礎天端よりも下まで来る部分に必要になってくるようです。
たとえば左の図で、赤線で書いた標準の床高さであれば室内側の壁が基礎天端よりも上に来るので基礎の厚みは室内の壁に影響を与えません。
(図は積水ハウスさんからいただいた標準仕様書のコピーを私が書き直したものです・・・社内資料でしょうから)
一方、黒線で書いた床ダウン仕様では床面は基礎天端よりも下に来ます。この場合、断熱性能を確保するためには基礎と壁との間に断熱材を入れた上で若干の隙間を開けることが必要です。
このため、本来であれば基礎が厚いぶん、内装の壁が大きく室内側に張り出す(壁ふかし)ことになるのですが、その部分を基礎の厚みを切り欠いて調整することがあるようです。
私たちの家でも最初はそのような設計になっていたわけですが、図面(左)によると基礎切り欠きの幅(高さ)が400mmと広く、otto室の周り17mにわたっての切り欠きとなることから、どうも気分的にイヤでこの切り欠きを無くすように変更をお願いしました。
(現実には深基礎部分なので曲げモーメントは問題ないでしょうし、アンカーボルトの引き抜き強度にも実害はないのだと思いますが。)
また、私たちの家の場合は玄関や勝手口についても土間が基礎天端より下に来ますので、室内側の壁面と土間から立ち上がる部分の面を調整するため、同じような形で基礎が切り欠かれています。こちらは長さが短いのでそのままです。
一方、壁ふかしをしない場合の仕上げ図というものも積水ハウスさんの資料に載っていました。壁に段付きができるので玄関周りなどでは気になることもあるかもしれません。計画される際にチェックしてみては如何でしょうか。
ちなみに、このような床ダウン仕様の部屋を居室として使う場合、床板の下面に断熱材を施工するのはもちろんですが(床板の下面には断熱材が付きません/修正Nov.2006)、積水ハウスさんではその部分の土間コンの下にも断熱材を施工するようです。今どきでは当たり前なのかもしれませんが、実家のような三昔前(?)の家と較べると断熱に対する気の遣い方がだいぶ違うものだと思いました。
さて、基礎つながりで蛇足です。実は私はビルトンガレージを作るにあたって心配なことがありました。それは、「ビルトインガレージを作るとガレージの出入り口部分は車が通れるように基礎天端を地面の高さ(GL)まで下げるので強度が下がるのではないか」ということです。
積水ハウスさんと打ち合わせをしながらもその点がどうも心配だったのですが、基礎図を書いてもらってみてみると・・・、とんでもありませんでした。
左の図はガレージの開口部にあたる部分の深基礎ですが、
GLまで基礎天端が下がるぶんにも増して地中深く基礎が作られています。(笑)
基礎の全高は1680mm、フーチング部分の幅は850mmもあります。柱状改良が入るので地耐力云々を別問題としても、単純に基礎の曲げ強度はすごそうです。素人目には2階建ての家に対して少々過剰なような気もしますが、やはりそれだけの必要があるのでしょうか・・・?
※ 基礎の図面に「深基礎」「擁壁型」という基礎の種類が書いてありました。打ち合わせのときにその差を聞いてみたところ、単なる「深基礎」は高さが高いだけの基礎、「擁壁型」というのは基礎の内側と外側で地面の高さに差があるところに使うものだそうです。「擁壁型」のほうは強度を持たせるために配筋等に差があるそうです。
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